李相敦(中央大学教授)
アメリカ大統領選挙をわずか数日控えて、トーマス・ソウェル教授がオバマが大統領になると惨事が起きると警告するコラムを連日書いている。タウンホール・ドットコムなどに載っている彼の最近のコラムを紹介する。
10月27日付のコラム「オバマと左派」(Obama and 'The Left')で、ソウェルはオバマが単純に左派的考えを持った人々と付き合ったのではなく、ジェレミー・ライト、マイケル・プルレゴなど大衆を扇動して咀呪を生み出す危険な急進左派と群れをなし、特に有権者不正登録の嫌疑で捜査を受けたACORN(「改革のためのコミュニティ組織の連合」:Association of Community Organization for Reform Now)で重要な役割をしたと指摘する。オバマは、イリノイ州議会の議員に出馬した時、急進的牧師のビル・アイアースの家で出馬を決めたため、オバマの政治は初めから急進的であるのに、今は、アイアース牧師との関係は過去の問題と言い逃れているとソウェルは批判する。ソウェルは去る20年間、敵対感や対立を強調した候補が、今回は分裂を治癒し統合すると言い出すのを信頼してはいけないと主張する。
10月28日付のコラム「オバマと法」(Obama and the Law)で、ソウェルは、万一オバマが大統領になると、連邦大法院の最高裁判事に、犯罪人やテロリストを擁護する急進的法律家を任命するはずで、これはこれから数十年間アメリカ人の生に大きい影響を及ぼすと警告した。
10月30日付のコラム「パーフェクト・ストーム」(A Perfect Storm)で、ソウェルは、再びオバマの当選は歴史的なこと(historic)でなく、大惨事(catastrophic)として記録されるとしながら、オバマの当選がもたらし得る危険な状況に対して警告した。ソウェルは、オバマが彼の政治的キャリアを通じてなしたものが全くないと言い、そのような人が掲げた「変化」(Change)という見かけの良いスローガンに惑わされると大きな代価を払うことになると指摘した。ソウェルは、オバマが打ち出した分配は、結局「貧困の分配」になってしまうし、彼が自由貿易を適切に制約するということは、保護貿易で世界経済を破綻に陥れた1930年代を連想させるといった。オバマはイランを「小さい国」だと簡単に考えたが、米国はやがて核武装したイランの影の下で生きていくことになるとソウェルは警告する。
10月31日付のコラム「エゴとマウス」(Ego and Mouth)で、ソウェルは、サブ・プライム・モーゲージが今の危険な財政危機を招いたが、資格とは「エゴとマウス」しか持っていない人に、一国の運命を任せることより危険なことはないと指摘した。そのような自己中心的エゴは、アイビー大学を卒業した経験のない学生たちに見られるもので、組織を運営して見た経験のない自己中心的な(self-centered immature)オバマがもたらす災難は明らかだとソウェルは警告した。ソウェルは、民主党の副大統領候補のジョセフ・バイドン上院議員も、ニューヨークタイムズのような進歩メディアのマインドを共有している「進歩の中の進歩」(liberals' liberal)だと指摘した。ソウェルは、オバマ、バイドン、下院議長のナンシー・フェロシー、そして上院の民主党院内代表のハリー・ライドを合わせれば、ローマが滅びたような「歴史的瓦解(historic meltdown)」のすべての要素を全部揃うことになると警告した。
ソウェル教授の最後の警告が果たしてどれほどの効果があるかは分からない。ソウェル教授のコラムの原文はhttp://townhall.comで見られる。
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