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2008年09月18日 00:00
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[朝鮮日報寄稿]北の急変と韓・米関係
同盟関係を確固とした中、中・日・ロの協力を得ることが重要

「分断費用」よりは「統一費用」がはるかに少なく済む

金錫友(前統一院次官)

 

金正日の健康異常説が出た以後、韓国政府は慎重によく対応している。市民社会もパニック現象が見られないほど成熟した。

 
だが、北朝鮮のような「失敗した政権」の絶対権力者の健康異常は、遠からず社会不安定に繋がるしかない。したがって、われわれは金正日の健康問題に内包された重大な意味を冷静に把握し、北朝鮮の急変事態、南北関係、そして平和的統一に至るまでの大きな絵を持って備える必要がある。
 
まず、金正日の統治能力には支障がないというが、北朝鮮社会の忠誠誓約の動向や金正日の年齢に照らし、原状に戻ることは難しいと見るべきだ。その上、金正日自身の権力継承の当時とは違って、後継者の指定過程があまりにも遅れた。去る20年間、北朝鮮のシステムは完全に失敗し、住民を食べさせることができないほど最悪の状態なので、後継体制の安定は容易なことでない。
いずれにせよ、表に誰をたてようが、結局軍部の集団指導体制や権力闘争へと発展する可能性が大きい。短期的には政権の安全性がぜい弱な状況で、強硬勢力が冒険をしないようにわれわれは細心な注意を払わなければならない。
 
一定の過渡期を経て登場する指導者は、自分の権力基盤を安定させるため逆説的に金正日と差別化しようとするはずだ。また、「遺訓統治」も不可能であり、正統性も脆弱だから、住民の好感をかおうとするだろう。唯一の方案は「改革・開放」だ。北朝鮮住民も、中国より進んでいる韓国がある、という事実をぼんやりにでも知っているから、今までの強圧的統治のみでは体制を支えにくくなった。
 
最悪の急変事態がやってきても、われわれは北朝鮮住民が韓国に頼れば現在よりはましだという確信を持つようにしなければならない。例えば、有事の際の食糧、医薬品など緊急物資を最短期間内に支援し、心理的に安定させなければならない。
 
そして、韓国社会の中では北朝鮮のどんな事態にも、われわれが耐えられるし、「分断費用よりは統一費用がはるかに少なく済む」という事実を認識するようにしなければならない。統一すれば、南・北韓が一緒に滅びるというふうに無責任に危機感を煽ってはいけない。
 
韓国がその36分の1規模の北朝鮮経済に当ることはそんなに難しくない。韓国のGNPの1%は、北朝鮮GNPの36%に該当するから、ドイツの統一過程での試行錯誤を参考にすれば、むしろ少ない費用でも容易に難局を克服できる。
 
事態の進展により、今まで「民族同士」を叫びながらも、内心では統一を拒否した勢力が急激に没落するだろう。北朝鮮政権の核心階層からも分裂や離脱現象が促進され、韓国でも親北左派は頼るところを失って自ら崩れるはずだ。われわれは、危機を機会としてうまく利用して新しい国民的大統合を成し遂げるようにしなければならない。
 
何より重要なことは、国際的に周辺強国らとの信頼関係を強化することだ。特に、現国際秩序の主導国である米国との同盟関係を確固たるものとして、中国・日本・ロシアの協力を得ることだ。ドイツは、1989年ベルリンの壁の崩壊後、米国の全幅的助けがなかったら英国やフランスなどの反対で統一の夢を叶えられなかったはずだ。長期的には、統一後の北朝鮮のインフラ建設に必要な莫大な資金も国際社会からの支援が必要だ。
 
われわれは、これから北朝鮮の断片的状況に慌てる必要がない。近代化と民主化を成功させた自信感を持って、米国をはじめとする国際社会と緊密に協力すれば、平和的統一も達成できる。
 
www.chosun.com入力:2008.09.15 22:04 /修正:2008.09.15 23:05
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