われわれの目標は「自由・民主統一」
「北朝鮮の混乱を、韓国主導の統一の機会にしなければ」
「韓国の積極的な主導があってこそ米国も支援する」
李春根(ニューライト政策センター代表)
ニューライト全国連合傘下の「ニューライト政策センター」が、10月15日の午後、ソウル市内プレスセンター20階で、「2008アメリカ大統領選挙が韓半島に及ぼす影響と課題」を主題に、創立記念討論会を開催した。次は、この日の主発表者の李春根「ニューライト国際政策センター」代表の発表文の中で結論の部分を要約したものだ。<編集者 注>
▲米国大統領選挙と韓国の対応:去る10年間、韓国政府は米国と不調和の関係だった。両国の政府指導者らの理念が違ったからだ。
特に、対北政策において、米国と去る10年間の韓国政府との関係は同盟だと言えないレベルだった。このような意味で、現在の韓国の対米窓口が今後もまともに機能できるかどうかを基準に再整理されなければならない。
去る10年間、韓国政府はアメリカの大統領選挙の過程で目に見えるほどの偏頗的だった。結局望まなかったブッシュ政府が発足し、韓・米関係は破局に突き進んだ。われわれは、国家利益に対して何よりも現実主義的に接近しなければならない。
まず、強大な大国らで囲まれた不利な地政学的位置から、いつでも国家安保を確保することを大韓民国の第1の国家目標として設定すべきであり、このような目標を追求する過程で死活的な国が米国だという事実を理解しなければならない。それから、われわれの利益のため、米国にどのように接近し、米国の力を借りられるかを考えなければならないのだ。
▲国家安保:米国と確実な同盟関係を維持する場合、韓国は国家安保の問題で決定的な負担を減らすことが出来る。米国との同盟は、韓半島の周辺強大国の権力政治から韓国の安全を確保し、北朝鮮の核の危険に置かれた韓国の安全問題を解決する基本となる。
ところが、21世紀は20世紀の冷戦時代とは違い、韓・米同盟関係が一方的では有りえない時代だ。これからは、もっと戦略的次元の同盟関係が要求され、そのためには韓国の一層大くの寄与が必要になる。ブッシュ行政府の時、米国は韓国軍のイラク派兵を要求した。
アメリカの次期行政府は誰が大統領になっても対テロ戦争の焦点はイラクからアフガンに移ることが明らかだ。オバマが当選する場合、このような変化は一層速くなるだろうし、米国は韓国の寄与を求める可能性が高いと思われる。
▲経済発展:韓国は米国との経済的依存関係が最も高い国だ。最近、輸出入の規模において中国が大きくなったというが、その内容を詳しく見る必要がある。われわれが中国に輸出する原材料などの大部分は、中国で製造され完成品になって、米国に輸出されるものだ。
マケインが当選する場合、韓・米の経済関係は、自由主義の原則に忠実に、進められるだろうが、オバマが当選する場合は、特に議会が民主党によって掌握される場合、韓・米の経済関係は、アメリカの自国産業保護政策によって困難に直面するかも知れない。
▲北核と統一問題:北韓問題と統一問題は、韓国外交政策の遠大なビジョンでなければならない。北韓問題と統一問題は、その属性が国際的な問題なので国際的な協力、特に米国との協力が必要だ。だが、北韓問題と核問題が「われわれの問題」だと認識されるべきで、「米国の問題」として認識されてはいけない。
われわれが主導権を取り、われわれが解決の先頭に立たねばならないということだ。前の政府は、核問題を米国の問題だと捉え、われわれが主導すべき統一議論は、最初からダブー視した。そのような可能性が高くは見えないが、北側と条件なしで直接交渉するというオバマ候補の立場が、われわれの意志と利益が無視されることであってはいけない。
もし、そのような場合が生じたら、われわれの立場が積極的に反映されるように事前に徹底に備えなければならない。「北核」問題は、何よりも韓国の問題であるからだ。統一問題も、われわれが主導権を取らねばならない。北朝鮮の急変事態が近づいている。
後継者のない「神政政権」の没落は、混乱を引き起こすことになっている。北朝鮮の混乱が、19世紀的な権力政治を招く、力の空白になってはいけない。韓国が主導して統一を成し遂げる契機にならなければならない。そのためには米国の助けが必要だが、われわれがイニシアチブを取らないと、米国が韓国の統一まで配慮はしないだろう。
中国、ロシア、日本など、韓半島の統一に対して地政学的に消極的な見解を持っている周辺の強国を説得し、統一問題を進めていける国は現在アメリカ一国だけだ。
もちろん、韓国の積極的な主導がある時のみに、米国は支援するだろう。われわれは今アメリカの次期行政府の首長がマケインでも、オバマでも、彼らと一緒に仕事をする核心人士らと完ぺきな意思疎通が可能な接近通路を設けることに集中しなければならない時である。
「北核」専門家の金泰宇博士(国防研究院副院長)の司会で行われたこの討論会は、主要発表者の李春根博士をはじめ、李・インホ国家安保戦略研究所国際安保研究室長、裴廷鎬統一研究院国際関係研究室選任研究委員、チョン・ナックン汝矣島研究所統一外交安保チーム長などが討論者として参加した。
整理/フリージョン・ニュー金泌材記者(spooner1@freezonenews.com)
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