小型モジュール炉(SMR)開発に向けた制度的基盤が整った。SMR特別法が今月12日、国会本会議で可決した。法案提出から2年間にわたり停滞していたが、ようやく成立に至った格好だ。SMRは、人工知能(AI)やデータセンターの拡大に伴う電力需要の急増に対応する「ゲームチェンジャー」として注目されている。与野党が合意に達したことで、韓国型SMRの技術開発と商用化が本格的な成長軌道に乗るとの期待が高まっている。
SMRは、大型原発の主要機器(原子炉、蒸気発生器、加圧器など)を1つの容器に一体化した出力300メガワット級以下の小型原発だ。工場でモジュールとして製作し、現地で組み立てる方式のため、建設期間が短く、コストも大幅に削減できる。
最大の強みは、24時間安定した高密度電力を必要とするAIデータセンターや半導体クラスターの近隣に設置できる点にある。再生可能エネルギーと異なり出力変動がほとんどなく、AI時代の中核電源として脚光を浴びている。
各国はすでにSMRの主導権争いに乗り出している。米国、中国、英国など18カ国が約80種類のSMRを開発中だ。米国は関連産業支援に9億ドルを投じ、中国は世界初の陸上型SMR商用化を目指している。国際エネルギー機関(IEA)は、2035年のSMR市場規模が650兆ウォンに達すると予測している。
商用化へのスピード競争が本格化
今回の特別法制定により、政府は5年ごとに「SMRシステム開発基本計画」を策定する。計画には、(1)研究・開発(R&D)推進戦略(2)人材育成(3)機器調達および産業生態系構築策などが盛り込まれる。国務総理直属の原子力振興委員会の下に「SMR開発促進委員会」を新設し、司令塔としての役割を担うほか、「SMR特区」を指定して入居企業や研究機関に行政・財政支援を行う。政府は30年までに国産SMRの中核技術設計に1兆2000億ウォンを投じる方針だ。
産業界も動きを加速させている。斗山エナビリティは昌原にSMR専用工場を整備し、28年までに年間20基の生産能力確保を目指す。現代建設は米国ホルテックと協力し、ミシガン州パリセイズ原発にSMR2基を建設する事業に参画している。韓国水力原子力は、独自モデル「iSMR」を30年までに商用化する計画だ。
韓国の原発業界関係者は「韓国は世界最高水準の原発主要機器製作および施工能力を有している。もはや技術競争ではなく、時間との競争だ。30年の商用化時期を前倒しできなければ、世界市場で主導権を確保するのは難しい」と語った。
慶尚南道昌原の斗山エナビリティ工場で、発電用ガスタービン製品を視察する斗山グループの朴正遠会長(左)
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