2025年1月20日、トランプ政権が再び発足して以降、世界情勢は急激に変化している。第1期とは打って変わり、トランプ大統領は国際問題により大胆かつ積極的に介入し、米国を再び完全な覇権国家へと押し戻す作業を、極めて速いテンポで進めている。トランプは就任直後、大統領執務室であるオーバル・オフィスに、ウィンストン・チャーチルの胸像を再び据え、ロナルド・レーガン大統領の大型肖像画を掲げた。チャーチルの胸像とレーガンの肖像は、第2期トランプ政権の国家大戦略の方向性を象徴づけている。
チャーチルは、西欧自由主義文明を守り抜いた人物として歴史に名を刻んだ政治家である。レーガンは、ソ連を打ち破り、米国単独覇権の時代を築いた大統領として、今なおトップレベルの人気を誇る存在だ。トランプは、チャーチルやレーガンのように、自由民主主義文明を脅かす勢力を打倒し、勝利を収めた歴史的人物になることを目指している。
今日、西欧文明と米国を脅かす勢力は、概ねイスラム主義、独裁体制、反米、親中国という特徴を持つ国家群であり、その代表例が中国、ロシア、北韓、イランの4カ国である。米国の学者たちは、21世紀の世界対立構図を、これら4カ国を指す「ユーラシア独裁国家(Eurasian Dictators)」と、米国主導の「自由陣営」との対決として捉えている。
トランプは第2期の任期開始直後から、この4カ国を主な標的とする外交政策を展開してきた。反米・独裁・親イスラムという共通項を持つ国家群を、優先的に締めつけ始めたのである。トランプは自由陣営諸国の中でも、親中的性格を帯びるカナダ、メキシコ、ドイツに介入、ヨーロッパ文明を守るどころかイスラム文明に屈したフランス、英国などの現政権にも強い圧力を加えている。
トランプは今年6月、爆撃作戦によってイランの核を除去した。トランプの第1の同盟国であるイスラエルは、イランの石油貯蔵施設を破壊し、中国に対しても間接的ながら一撃を加えた。25年中には、中国の友好政権であったネパールやタイで政権交代が起こり、同じく親中政権であるインドネシア、メキシコ、ブラジルの現政権も、トランプの圧力作戦に翻弄されている。
ここで一つ、特異な点がある。第1次トランプ政権では、2度にわたる首脳会談を行い、板門店で短時間ながら顔を合わせるなど、相当の努力を注いだ北韓に対し、第2期では、ほとんど関心を払っていないように見える。この1年間、トランプが北韓に言及する場面はほぼなかった。伝えられるところによれば、トランプはニューヨークに駐在する北韓代表部に、数回にわたり書簡を送ったという。しかし、北韓側はその書簡の受け取り自体を拒否したとされる。正確な理由は不明だが、北韓はトランプ大統領の手紙を読むこと自体を恐れた可能性がある。第2期のトランプは、外交的修辞をほとんど用いない。代わりに、過激な言葉を日常的に使う。イラン爆撃の直前、トランプはイラン大統領に対し、極めて挑発的な書簡を送り、その内容を公開した。「いわゆるイラン最高指導者なる人物へ」と書き出したその書簡で、トランプは「あなたは容易な標的だが、当面は生かしておいてやる。降伏せよ」と迫った。他国の大統領を、これほどまでに公然と侮辱した米国大統領は前例がない。
イラン側が降伏要求を拒否すると、トランプは爆撃作戦を実行し、イランの核関連施設を完全に破壊した。この作戦で使用されたバンカーバスターは、地下60メートルの施設を破壊できる兵器であり、金正恩のバンカーも同じく地下60メートルにあるとされている。イランの核施設は地下90メートルにあるため、米国のバンカーバスターでは破壊できないと主張する短絡的な評論家もいたが、米国は同一地点を2度攻撃することで、地下90メートルの核施設を完全に破壊した。
昨年10月、トランプが韓国を訪問した際、韓国メディアはトランプと金正恩の会談を既定事実のように報じた。金正恩は、トランプが北韓核問題に言及しなければ会ってもよいという姿勢を示した。しかし、トランプは第1期と同様、北韓核について「完全で、検証可能で、不可逆的な廃棄」を求めており、両者に接点はなかった。
さらに注目すべきは、12月4日に発表された米国の国家安全保障報告書に、北韓が一切言及されていない点である。トランプ政権にとって、北韓はもはや直接手を下す対象ですらないのかもしれない。中国、ロシア、イランを揺さぶれば、北韓は自然崩壊すると見ている可能性がある。北韓の運命は、現実に残り時間が少ない。崩壊の日は、ある日突然訪れるだろう。ビクター・チャ教授は、だからこそ北韓崩壊の瞬間に統一を成し遂げるため、韓国政府はイデオロギーの違いを超えて、常に備えておくべきだと助言している。
2026年が、民族の悲願である北韓崩壊と統一が同時に実現する年となることを、願ってやまない。
 | | | 李春根。国際政治学者、米テキサス大学政治博士。『米中覇権争いと韓国の戦略』など著書多数。
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