一般社団法人「あおい文化交流研究所」(青嶋昌子理事長)は韓日の各所で4~10日、「第5回朝鮮半島(韓国)由来の文化財を知るための日韓(韓日)国際ワークショップ」を実施、約30人の一行が奈良・京都・釜山・大邱を巡った。
韓日両国の学生に対し、文化財保存のあり方に対する問題提起を促すことが今回のワークショップの目的。日本では天理大学の協力により、同大学が所蔵する貴重資料を鑑賞。普段目にすることのない文化財の数々に、参加者は驚きと感動を持って真剣に見入っていた。外村大・東京大学大学院教授、表世晩・韓国国立群山大学教授による特別講義では、質問が相次ぎ参加者の意識の高さがうかがわれた。
フィードワークでは、参加者たちがグループごとにテーマを決めて地域を踏査した。日本での日程を終えた参加者たちは、海路で釜山へと入り、はじめに国立海洋博物館を見学。この後、長崎県立対馬高等学校で韓国語を学ぶ生徒が合流し、韓日の学生と高校生による交流会が催された。
大邱に移動してから一行は嶺南大学で、金智英・成均館大学教授の近代韓日美術交流に関する講義を受けた後、交流カフェ「大邱ハル」から大邱市内の踏査へと向かった。駆け足の日程だったが、韓日両国の若い参加者同士がすっかり打ち解け、別れるときには涙を流す学生の姿も見られた。
青嶋理事長は、「純粋な思いが日韓の歴史の溝を埋めてくれることを願っている」とした。
5日、在日2世の鄭喜斗・高麗美術館館長が展示を解説(写真=あおい文化交流研究所) |