都内の在日韓人歴史資料館(李成市館長)は今年10月11日から来年の10月31日にわたり、「草の根から見る在日史~声なき声の記憶と記録・塚﨑昌之さんを偲んで」と題した企画展を開催中。先月は135人の来場があった。
開催初日の11日、映像作家の金稔万さんが制作した追悼映像と、立命館大学の石川亮太さんが講師を務めた記念セミナーを開催、53人が集まり満席となった。
塚﨑さんは大阪の在日同胞の戦前における生活実態について、当時の新聞や雑誌、行政刊行物を駆使した網羅的なデータベースを作成、企画展では誰もが自由に触れることができる。
塚﨑さんの研究態度や業績に深く感じるところがあり、公私を超えた交流を塚﨑さんが亡くなるまでの期間、長期的に続けていた在日2世の玄善允さんは、「互いが落ちこぼれを自覚し、それを積極的に自らの社会観・人間観として生きてきたという相互承認が、二人の関係の安定性の基盤になっていたと確信する」と述べた。
在日韓人歴史資料館は今年、開館20周年を迎えた。22日には新版図録刊行も記念したシンポジウム「在日の未来を紡ぐ~求められる資料館の役割と向後の期待」を開催する予定。
塚﨑さんの友人で在日2世の玄善允さん㊨が故人を偲び登壇 |