3日に発令された内閣府による「令和7年秋の叙勲受章者」として、社会福祉法人「こころの家族」の尹基理事長が「旭日双光章」を「日韓友好親善功労・国際福祉功労」への功績により受章した。
尹理事長の日本名は田内基(たうち・もとい)、1980年代から国籍を有する日本を拠点に活動している。母親は韓国の木浦共生園で6・25戦争に際しての戦災孤児3000人を育て上げた田内千鶴子さん。
高齢となった在日同胞が各地で孤独死を遂げている実態に、かつて本紙の報道などを通じて接するようになったという尹理事長は、母親の千鶴子さんが亡くなる目前に「梅干しが食べたい」と話していたことを思い出し、韓日両国の文化を入所しながら体験できる福祉施設の必要性を感じたとしている。「こころの家族」が運営する介護施設「故郷の家」は現在、関西と関東に5つの拠点を構えている。
尹理事長は、「私が在日韓国老人ホームを作ろうと決意したのは、在日コリアンの孤独死を報じた『統一日報』を見たからです。そのため、在日同胞の境遇に関心が深まり、『故郷の家』作りが始まりました。多くの方々の協力なくしてはできないことですが、在日同胞の皆さんが温かい心をもって各地でご支援くださったことに感謝します」と述べた。
4日、大阪の「故郷の家」で「旭日双光章」受章を喜ぶ尹基理事長(社会福祉法人「こころの家族」提供) |