4日、韓国大統領室の姜由楨報道官は記者会見で、新潟県佐渡市の世界文化遺産「佐渡島の金山」を巡る労働者追悼式に、韓国政府が昨年同様、今年も参加しない方針を発表した▼佐渡島の金山は、かつて日本による朝鮮人強制労働が行われた場所だ。日本側は追悼式を通じて過去の労働者を慰霊する姿勢を示しているが、韓国政府は歴史認識の違いや信頼性の問題から不参加を決定した▼韓日関係は近年、経済、安保、文化交流などで前向きな進展を見せている。2023年の尹錫悦大統領の訪日や韓日首脳会談を機に、両国は信頼回復に向けた努力を重ねてきた。だが佐渡島の金山のような歴史問題は、依然として両国間の緊張の火種となっている▼一方、中国では3日、北京で「戦勝節」が盛大に開催された。中国では戦勝節に合わせ、反日感情を刺激する文化コンテンツが制作された。映画『南京写真館』や9月公開予定の『731』が挙げられる。日本の戦争犯罪をテーマに、反日感情を高揚させる内容を含むものだ。中国政府は戦勝節を国家の誇りを強調する機会と位置づけるが、反日感情の政治的利用は緊張を生む▼文在寅政権下で、政府主導の反日運動が議論を呼んだ。19年の日本の輸出規制をきっかけとした韓日対立は、「ノージャパン」運動に発展した。政治による反日感情の扇動は、韓日両国の未来志向の関係構築の妨げとなりかねない。歴史問題の取り扱いには、感情的な対立ではなく、相互尊重と対話を通じた解決策の模索が必要だ。 |