8月23・24日、李在明大統領が就任後初めて日本を訪問し、石破茂首相と首脳会談を行った。この会談は、韓日国交正常化60周年を記念する重要な機会となり、両国関係のさらなる発展に向けた意欲が確認された。会談では、「シャトル外交」の継続や韓日米の連携強化などが強調された▼また、経済や人的交流の拡大を通じて未来志向の関係構築を目指すことで合意した。両首脳は共同プレスリリースを発表し、安定した韓日関係の重要性をアピールした。李大統領は訪日中、政界関係者や在日同胞らと交流するなど積極的に活動し、韓日相互理解を深める機会となった▼だが、韓日関係の今後は一筋縄ではいかないだろう。文在寅政権下では、徴用工問題や福島第一原発の処理水放出を巡る対立が表面化し、官製反日運動が両国関係を冷え込ませた歴史がある。李大統領も過去には対日強硬発言が目立ったが、就任後は「実用外交」を掲げ、日本重視の姿勢を示している。それでも、歴史問題や台湾を巡る立場の違いなど、潜在的な懸案は残る▼一方で、両国民の相互理解は着実に進んでいる。KPOPや韓国ドラマの人気、訪日韓国人観光客の増加など、草の根レベルの交流は拡大を続けている。これらの民間交流は、政治的な軋轢を乗り越える力となり、韓日関係の安定に寄与するだろう。両国は首脳間の対話と民間交流を両輪として、歴史問題に過度に左右されない関係構築が求められる。今回の訪日を契機に、互恵的な協力関係を築くことが期待される。 |