外交部が先月末に、米国・中国・日本・ロシア・国連など5強大使を含む主要国駐在特任公館長30人余りに「2週間以内に離任準備を終え帰国せよ」という指示を出したという。尹錫悦政権で任命された特任公館長を汚染された人士とみなすためだ。新任長官の任命前の異例の措置で、外交ラインの全面再整備というが、これは事実上、何の対策もなくやる、外交のリセットだ。
繰り返される左翼政権の措置は、共産党式の粛清だ。カンボジアのポルポト軍がプノンペンを占領後、日が暮れる前に都市を去るように布告令を下したことを連想させる。
帰任指示を受けた公館長には既に知られている通り、米国、日本、ロシア、国連大使などがおり、他にもイギリス、フランスなども帰国通知を受けたことが分かった。朴喆熙駐日大使も帰国した。
歴代左翼政権を経て過去事整理委員会など、革命機関を経験したため、このような粛清は慣れている。それでもこれがここまで急ぐべきことか。後任者はすでに赴任準備を終えているのか。どうせ後任公館長を派遣するには経験者の人選を始めても3カ月程度はかかる。なぜ後任を人選する作業もなく召喚から始めたのか。公館長が国家に害でも及ぼしたのか。あるいは逃走、亡命する恐れがあるのか。個人的にも、人間的にも家族がいる。特に子どもたちの教育問題もある。
大韓民国は出身成分で人材を選び使う国なのか。主要国駐在大使は帰任前まで駐在国政府や議会、主要人士などと離任挨拶をしなければならないなか日程が厳しい。特に米国、日本、ロシア、国連など複雑な外交ネットワークを管理してきた大使館は負担が大きい。
長官任命のための人事聴聞会を見る国民の視線を感じないのか。大使を派遣するにはアグレマンも必要だ。外交部は現在、全世界171の在外公館に必要な人材を充分に確保しているか。貴重な経験を持つ人材を粛清する国家的自害行為はやめるべきだ。 |