今週は韓国にとって非常に重要な1週間になる。国の命運を左右するといっても過言ではない。尹錫悦大統領の弾劾裁判、李在明・共に民主党代表の公職選挙法違反2審、韓悳洙国務総理の弾劾裁判の判決が下されるとみられているからだ▼すでに24日、韓悳洙国務総理に対する弾劾裁判は棄却された。同氏は尹大統領が「非常戒厳」を出した際の対応や弾劾訴追された後の権限代行としての行為の違憲・違法性が問われていた。韓氏は職務停止が解かれ、大統領権限代行に復帰した▼尹大統領、李在明代表に対してどのような判決が下されるか注目されるが、その結果はもちろん、韓国における法治が正常に機能しているか、また今後、法治を回復することができるかを二つの裁判を通して考えるべきだろう▼尹大統領の拘束とその後の司法プロセスを巡る一連の出来事は、韓国の法秩序が深刻な危機に瀕していることを浮き彫りにした。「非常戒厳令」宣言を理由に内乱罪の疑いで捜査当局に拘束されたが、この逮捕には法的な根拠が欠如しているとの指摘が多く、その後の審議プロセスも透明性や正当性に疑問符が付き、法の支配が揺らいでいる状況だ。野党や一部メディアが尹氏を弾劾し、政敵を排除する道具として司法を利用した▼自由民主主義の基盤となる法治の崩壊を許せば、韓国の将来は一層不安定なものとなるだろう。判決後も政治的混乱は続くと見られるが、国民と政府が一丸となって法の支配を回復する決意を示す時ではないだろうか。 |