全国の民団地方本部で協議が進行中だ。先月20日の「第79回定期中央委員会」での議題などが諮られ、活発に議論されている。先週末に開催した埼玉県本部の「第44回定期地方大会」と、栃木県本部の「第75回定期地方委員会」を中心に、民団の組織的な取り組みと今後の方針を探った。
埼玉・栃木などで開催
さいたま市浦和区の埼玉韓国会館で15日、民団埼玉県地方本部が「第78回定期地方委員会・第44回定期地方大会」を開催、在籍者42人中30人が出席した。
3機関長の改選が行われ、団長に前議長の白守義氏、議長に前副団長の韓悦功氏、監察委員長に前監察委員の金英行氏がそれぞれ単独立候補のため、無投票で選出された。
新団長となった白氏は「仲間同士の絆を大切に、一人一人が意欲的に活動してほしい」と就任あいさつを述べた。
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栃木県韓国会館で14日、民団栃木県地方本部(禹春彦団長)が「第75回定期地方委員会」を開催、地方委員20人(定数25人)が出席した。
はじめに、国民儀礼・国歌斉唱・黙とう・綱領斉唱を行った。
続いて、文勝幸議長が開会辞を述べ、委員点呼・成立宣言を行ってから、議長としてあいさつを述べた。
禹団長のあいさつ・崔鉄秀監察委員長のあいさつに続き、金利中・民団中央本部団長からのあいさつ文を金成日・同副団長が代読した。
14日、「第75回定期地方委員会」であいさつする民団栃木県本部の禹春彦団長
まず、議決機関からの報告を文議長が行った。先月20日の第79回定期中央委員会で上程された改正規約案がすべて承認された。
続いて、執行機関の報告を李淑容副団長が行った。総括報告では、先日の定期中央委員会で議論を呼んだ「尹大統領の非常戒厳宣布」への対応についてはほとんど資料を踏襲。また「組織の基盤強化と活性化」「民団栃木の地域住民との交流と親睦」「在日同胞と母国間の交流強化事業」「韓日親善文化交流事業」「参加団体の諸活動」の報告が新たに示され、地域の課題を反映していた。
具体的には、昨年8月に宇都宮オリオンスクエアで約3000人の参加者を集め開催した「とちぎ韓流フェスティバル」について報告があった。同イベントは民団栃木の主催であり、次年度の企画として来月26日に開催予定している。また、佐野市立博物館には植民地時代に朝鮮の独立運動を支援した活動家として知られる須永元(すなが・はじめ、1868~1942年)の名を冠した「須永元コレクション」が収蔵されており、その中に金玉均(1851~94年)の書画・書籍など1万点が収められている点など、地域として韓日の文化交流に貢献できる土壌があることが強調されていた。
各部からの詳細な報告は、時間の関係で省略された。李副団長が決算報告を行った後で、監察機関からの報告を崔洛進監察委員が行った。質疑は行われずに議題が承認された。
続く開議では、民団栃木としての次年度の活動方針案と、予算案の上程を辛基秀副団長が行った。読み上げられた「重点方針」は、概ね定期中央委の資料に基づくかたちとなった。
予算案の読み上げが行われた後、その他の議題は上げられずに、それぞれの案が議決された。以上で定期地方委は閉会となった。
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14日には福島県地方本部で総会(参加者30人)を行ったほか、16日には佐賀県地方本部(参加者17人)と、熊本県地方本部(参加者33人)で総会が開かれた。
また同日、長野県地方本部(在籍者25人中16人出席)と、広島県地方本部(在籍者44人中34人出席)が定期地方委員会と地方大会を開催した。
15日、「第44回定期地方大会」で新たに民団埼玉県本部団長に就任した白守義氏 |