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最終更新日: 2025-03-25 16:19:21
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2025年03月18日 10:16
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いま麹町から 52 髙木健一
北朝鮮と拉致問題➁ 特別取極と国交正常化を妨げるもの

 日本と北朝鮮の間の戦後補償問題の原点は、カイロ宣言(1943年11月27日)にあります。米、中、英の三大国が「朝鮮の人民の奴隷状態に留意し、やがて朝鮮を自由独立のものにする決意を有する」としたのです。
このカイロ宣言は、ポツダム宣言(45年7月26日)で「カイロ宣言の条項は履行せらるべく」とそのまま義務付けられました。そして、大日本帝国はこれを「誠実に履行する」と約束してポツダム宣言を受諾(45年8月14日)したのです。つまり、植民地支配によって朝鮮の人々を奴隷の如く貶めたという歴史認識の下、朝鮮を解放し、「自由独立のものにする」義務と、与えた損害を償う責任も履行することを宣言して戦争が終結したのです。言いたいのは、これが戦後日本の独立の出発点だということです。
日本はあいまいさを長所であるかのようにしてごまかすことがあります。「敗戦」といわずに「終戦」というのも好例です。「終戦」では、戦争であたかも日本が負けなかったかのように見せかけています。ポツダム宣言を受諾した降伏文書(45年9月2日)には、日本は連合国に対し、「無条件降伏を布告する」と明言しているのです。これを「終戦」とごまかすので、戦争責任の議論が進まないのです。勝算がないのに開戦した責任はどこにあるのか、アジアの人々を傷つけた責任は誰にあるのか、敗けると分かった戦争を続けたのはなぜか、国民に虚偽の戦況を伝え続けたのは誰の責任かなどをきちんと議論していないのです。
しかし、戦後責任の問題はサンフランシスコ平和条約の第4条の「特別取極」の如く明確に定められています。日本が独立に当たっての上記の条件を実行しないのはどんな言い訳もできないはずなのです。
しかも、戦後80年、戦争責任を議論される加害者はすべて死没し、被害者とされる人々も今では生存者は数えるほどになっています。すでに遅きに失する以上に時が経っているのです。にもかかわらず、日本はまだ北朝鮮との交渉を始めようとしません。
日本が北朝鮮との交渉に乗り出さない理由に北朝鮮の「核・ミサイル開発」問題があります。日本の安全保障に直接関わる問題なので、この問題が日本にとって納得のいく解決がなければ日朝国交正常化はあり得ないとする意見があります。北朝鮮の非核化は確かに重要ですが、日本・韓国・アメリカが結束して対応する外交問題でもあり、日朝国交正常化交渉と並行して協議することも可能です。日本が国交正常化交渉を始めない理由にはならないのです。
この点、拉致問題は国民感情上の大問題として、日本側も安易に譲歩することができなくなっています。拉致行為は確かに日本人が被害者となった違法行為ですが、これを北朝鮮は認め、できる限りのことはやったとして、拉致問題は解決済みだとの立場です。
私は北朝鮮を訪問したときに、北朝鮮政府の外交部の中堅幹部が日本側との交渉の経緯を振り返り、約束を破ったのは日本側であることを詳細に説明していたことを思い出します。
これに対して、日本の外務省の担当者の1人の遠藤哲也氏は、拉致問題の処理は「全面解決」ではなく「進展」でも良いではないかとの意見を出しています(時論・日朝関係の展望)。今回も石破茂首相は拉致問題の解決に向け、東京と平壌に連絡事務所の開設を検討するとの考えを説明しました。しかし、拉致被害者の家族会側は「全拉致被害者の即時一括帰国」の実現を要求し、平壌の連絡事務所の設置に反対だとの考えを伝えたといいます。

2025-03- 5面
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