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最終更新日: 2025-03-25 16:19:21
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2025年03月12日 11:09
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金永會の万葉集イヤギ 第43回
悲劇の人生 十市皇女(22番歌)

 672年6月、古代日本最大の内乱「壬申の乱」が起こった。天下を震撼させたこの乱は、神も勝てなかったと言われた天智天皇の崩御から半年後に起きた。

天智天皇は亡くなる前、それまで皆が予測していた大皇弟(大海人皇子)への承継を破り、息子の大友皇子を後継者と定めた。弟の大海人は皇太弟を退き出家して吉野に隠居した。
吉野に隠居する大海人は、自分に対する大友皇子側の動きに神経を尖らせていた。大海人があらゆる情報網を総動員していた事実は、日本書紀の随所の記録からも確認できる。
そしてついに大海人は、大友側が自分を排除することにしたという決定的な情報を入手する。情報の出所が大友皇子の妃の十市皇女とその母の額田王だったことが、万葉集の作品の解読によって明らかになる。
大海人皇子はこの情報に機敏に対応した。座して死を待つわけにはいかなかった。彼は吉野を出立した。サイコロが投げられた。天下が揺らぎひっくり返った。人々の顔が真っ青になった。生きるか死ぬかの壬申の乱だった。
大海人の軍勢は各地で大友皇子の軍を撃破し、勝機をつかんでいった。1カ月後、大友皇子は絶望的な状態に追い込まれ、これ以上逃げられる所がなかった。大友皇子は首を吊って自決したと記されている。
大海人の将軍たちが大友皇子の首を捧げたことで壬申の乱は終わった。勝利した大海人は近江へ行かず、飛鳥に向かう。そこで天武天皇として即位した。
万葉集の中に壬申の乱に関する作品が散見される。万葉集1巻には壬申の乱に対する決定的な作品がいくつもある。
代表的な作品が20、21、22番歌だ。これらの歌は壬申の乱に関する歴史の記録を補完する途方もない内容だ。まだ誰も気づいていない内容を、統一日報の読者の皆さんに紹介でき嬉しく思う。


万葉集の22番歌は、壬申の乱が終わってから後始末の様子を描いた作品だ。
天武天皇の即位3年後、十市皇女が伊勢神宮を参拝する。十市は額田王の娘である。父の大海人は、母の初恋の人だった。額田王は大海人が他の多くの女人を取り自分を遠ざけるや、自ら大海人を捨て中大兄皇子(天智天皇)の女人となった。万葉集に描かれた額田王は、男に縛られることなく、自らの愛を選ぶ自由な女人だった。
十市は、父の大海人が皇位を勝ち取った後、伊勢神宮を参拝する。随行した吹黄刀自(ふふきのとじ)が万葉集の22番歌を詠んだ。伊勢神宮の近くにある波多(はた)の横山の巌(巨岩)を見て作った作品と記録されている。
横山巌は現在の三重県一志郡一志町にある夫婦岩のことだ。夫婦岩は二つの岩だ。作者は夫婦岩を見て、数年前の浦生野の狩の時、森の中で起きた大海人と額田王の密愛を連想したかもしれない。

 悲劇の人生 十市皇女(22番歌)
<つづく>

2025-03-12 5面
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