尹錫悦大統領の支持率が急騰している。同時に与党「国民の力」の支持率も上がり、野党「共に民主党」の支持率を先月、5カ月ぶりに上回った。尹大統領の主張が正しく国民に伝わったことが要因だが、同時に李在明・共に民主党代表への嫌悪感もある▼李代表の従北・親中路線、特に中国に対する距離の近さに対し国民の警戒心は強い。改革開放以来、著しい経済成長をとげてきた中国は、韓国に大きな恩恵をもたらしたのは事実だ。だが、現在の韓国をみると中国の影響力は過剰なほどに強くなっている▼ソウルをはじめ済州島などの不動産を買い占め、中国資本の入った企業も多い。韓国最大のメッセージアプリ・KAKAOトークの筆頭株主は中国のテンセントだ。また、多くの中国製太陽光発電パネルが韓国で使われていることが以前にも問題になった▼中国の不法な政治介入疑惑も提起されている。尹大統領弾劾デモには多くの中国人が参加、さらに中国政府が韓国の中央選挙管理委員会を利用し、選挙に介入したという疑惑が浮上。非常戒厳令が発令された夜、選管委水原研修院に韓国情報司令部の特殊要員が出動し、中国人スパイを拘束したという報道もある▼こういったなかでも李在明代表は先月22日、鄧小平の『白猫黒猫論』(黒猫でも白猫でも、ネズミを捕るのが良い猫だ)を引用し、理念に偏らない現実路線を訴えた。いま韓国で起こっている混乱は、韓国内の政治問題という枠ではくくれない。自由民主主義と共産全体主義の戦いでもある。 |