品川の「焼肉おもに」は1974年の創業。50年間かけて培った顧客からの信頼と独自の経営哲学について、権東品代表に話を聞いた。また、今年2月から運営を長男の権東龍主任に譲る予定であるため、世代交代についても考えを聞いた。
(写真左)権東品代表取締役と長男の権東龍主任
権東品代表:私には「焼肉おもに」を老舗にしたいという強い希望があった。そのため、最も力を入れて行ったことが”販売促進”だった。45年(今も)続けているポスティングも”販促”の代表的なものだが、これからはSNSなど新たなツールを使って現代の潮流に乗っていく必要があると考えている。
権東龍主任:父から帝王学のように授けられた”販促”の方向性は、自分の代になっても受け継いでいくつもりでいる。ただ、今の時代は食事の前に写真を撮り、インスタグラムにアップしてから仲間の反響を楽しむなど、商品を提供する側の料理の盛り付けなど含め”販促”と捉え直さなくてはいけない時期を迎えている。まずは、この”盛り付けも販促”を肝に銘じて、これからやっていきたいと考えている。
権東品代表:”販促”は30~40回やって初めて成果が出てくると自分では考えている。やればすぐ効果があるのではないが、それでいて成功者と呼ばれる人であれば誰もが重視していることだ。50年の節目まで、自分の代では何とか店を守って来られた。これからの焼肉おもにの発展の一助になればという思いで”販促”の再解釈には果敢に挑戦していって欲しい。また、もうひとつ経験してきたことを述べておくと”継続は力なり”ということを強調しておきたい。「老舗にしたい」「家号を残したい」というゴールのようなものがまずあって、私は”販促”に打ち込んでこられた。時代が変わっても、成功体験をひとつずつ積み重ねて、自信に変えていってもらいたいと考える。
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昨年10月20日、都内のホテルで「開業50周年記念式」を開催。関係者約180人が会場に詰めかけた |