8~12日、一般社団法人「あおい文化交流研究所」(青嶋昌子理事長)は「日韓交流の史跡や関連文化財を対馬と韓国で見つけよう!」をテーマに、「朝鮮半島(韓国)由来の文化財を知るための日韓(韓日)国際ワークショップ」を開催した。
8日の初日、韓国から来日した9人の学生と、日本の学生9人が対馬で顔を会わせた。
互いに相手の国の言葉を駆使して盛り上がる様子に青嶋理事長は、「韓日の若者世代の間に、もはや垣根などなくなったのだと感じられた」としている。
9日、対馬博物館・朝鮮通信使歴史館を見学した後、対馬交流センターで薩摩焼15代沈壽官さんによる、朝鮮陶工の歴史についての講義を聴いた。豊臣秀吉の朝鮮出兵で日本に連れてこられ400年という歴史を、韓日両国の学生たちは学んだ。
続いて、九州国立博物館研究員の大澤信さんが韓半島由来の仏像についての講義を行った。仏像を愛してやまない大澤氏の講義に、学生たちから様々な質問が出された。
講義後、長崎県立対馬高等学校国際文化交流科の生徒たちを交え、交流の時間を持った。
10日、三つのグループに分かれ、あらかじめ決めていた研究テーマに沿ったフィールドワークに出かけた。あいにくの雨模様の中、学生たちは当初のスケジュールをこなし、充実した一日を過ごした。
対馬でのワークショップを終えた学生たちは、高速艇に乗り後半の韓国でのワークショップに移った。
韓国では晉州博物館と晉州城を探索、文禄・慶長の役の痕跡を展示や動画で学んだ。
青嶋理事長は、「5日間の日程はあっという間だったが、昼夜をともにした両国の学生たちの絆はワークショップが終わってからも決して途切れることなく続いていくだろう」と期待を込めて語った。
9日、対馬交流センターで講演する薩摩焼15代沈壽官さん(あおい文化交流研究所提供) |