例えば、中国共産党が日本の選挙に関与している、と言ったらどれだけの人がそれを信じるだろうか。韓国では、そういったことが現実化している。2020年に行われた総選挙時に、中共が選挙操作に関わったという疑惑が提起された▼大手メディアは黙殺してきたが、杭州アジア大会に関連するネット情報で中共の関与の可能性が示された。同大会の男子サッカーの韓国対中国の試合を速報で伝えていた韓国のポータルサイト「ダウム」で、90%以上が中国を応援するというあり得ない結果が表示された▼現代社会ではネットの書き込みコメントや「いいね」などの評価が影響力を持つことが多々ある。思い出されるのは、2017年大統領選挙の世論操作「ドルイドキング事件」だ。ドルイドキングは「コメント操作プログラム」を利用し、記事コメント欄を大量に操作、共に民主党の文在寅大統領候補(当時)に有利な世論へと誘導した。コメント操作回数は、約8840万回にも及んだという▼この事件も最初に提起されたときは懐疑的な見方が多かったが、「ドルイドキング」というハンドルネームのキム・ドンウォンと金慶洙慶尚南道知事には、1審で実刑が言い渡された▼大衆はネットを通じた世論操作などの工作に対し、脆弱で扇動されやすい。外国からの選挙介入は、スパイや地下党・市民団体を通じてのものだったが、サイバー工作も強力なツールとなっている。いまは、想像を超えたことが起こる時代だ。我々は深刻に受け止めねばならない。 |