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2022年01月26日 00:00
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新解釈・日本書紀 応神<第29回>

伴野 麓

 応神の胎中伝説は神秘的だが、即位後は寵姫と歌を交す様子や百済などから多くの渡来人が来た記述など、超自然性がない。神話の世界から一挙に現実の世界に飛びおりたようだ。
胎中伝説などを哲学的に考究する向きもあるが、神秘的と称される伝説は、ただ単に史実を隠蔽するための隠れ蓑に過ぎない。哲学的に考究すること自体、歴史学にとっては無意味であり、混迷を増長するだけだ。
古代の王朝は、崇神王朝(古王朝)、仁徳王朝(中王朝)、継体王朝(新王朝)の3王朝で構成され、これらは互いに血縁が全くない王朝だとする説がある。応神は、崇神朝と仁徳朝の両王朝をつなぐために作られた架空の人物で、実存した新しい王朝の建設者は仁徳だとする。血縁が特に重視された古代にあって、応神が崇神と仁徳を繋ぐ役だとすれば、応神のモデルは両者を併せ持つ血縁者であったのだろうか。
応神を架空と決めつける説もあるが、その真意は、韓地からの渡来を隠蔽するための恣意的なものと考えられる。神話として片付けようとする姿勢も同様だ。

(42)住吉3神は沸流百済の傀儡


住吉神代記に、住吉3神の社が、大唐国、新羅にあり、また長門にも摂津にもあったと記されている。このことから、応神は阿曇氏や和邇(和珥)氏、津守氏など海人族にゆかりある氏族を部下とし、住吉3神を王朝および王船の航海の守り神として奉じ、畿内、長門、韓地、中国にまでその社を設け、海外との交渉にも役立たせようとしたとの推量もある。しかし、当時の倭国に海外に進出するほどの国力があったとは思えない。住吉3神を沸流百済の傀儡と考えれば、海外での業績は沸流百済が行ったものであろう。
沸流百済は、海上立国として興隆し、3世紀には揚子江の下流に分国をつくるほどに繁栄し、旧唐書と新唐書には、百済の領域が「東北至新羅・西渡海室越州(揚子江南部)・南渡海至倭国(日本列島)・北渡海至高麗(遼西)」に達したと記録され、遼東の公孫度の娘を娶るほどに東夷強国となったという。住吉3神は、歴史から抹殺された沸流百済の表象とみてもよい。
日本書紀の編著者は神功と卑弥呼を同一人物であると認識していたようだが、本居宣長が両人は別人だと推断し、それが日本史学界の定説になった。神功と卑弥呼を別人にしたのは、応神を神功の子とするためで、神功紀の後半は捏造と見られている。
井上光貞は「未知の世界から忽然と現われた応神」と表現し、「実在したことが確かな最古の応神は韓半島からの渡来者であることを否認することはできない」と述べている。しかし応神の実体は、太子の菟道稚郎子の系譜をたどれば和珥氏であり、その当時、和珥王朝が存在していたのを、沸流百済が乗っ取り、表面上、和珥王朝の応神朝を残して、沸流百済はその陰に自らの存在を隠した。
神武が開いたとされる大和王朝は架空で、往時の大和の頭領はニギハヤヒ(饒速日)一族であり、新羅系山陰王朝の有力構成員であった。ニギハヤヒはホアカリと同一人物で、ニギハヤヒ一族はホアカリ一族と言い換えても良い。ホアカリは京都・丹後の海部氏の始祖で、丹後から大和に南下、進出して大和の地を領有していたと考えられる。

2022-01-26 6面
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