◆統準委の実践的課題
―― 3月にドイツのドレスデンで発表された朴大統領の構想を履行するための策を作るということですが、過去のものとどう違うのですか。
「朴大統領の構想は、北韓に人道支援し、インフラ構築に協力するというものだった。長期的には民族の同質性の回復を掲げた。相手は北韓政権だが、内容のほとんどは北韓住民に向けたメッセージだと思う。8000万人(南北合わせた人口)の願いと希望を謳う統一だ。強制収容所が存在する統一韓国など、住民は同意しないだろう。つまり、南北住民のコンセンサスのない統一や歓迎されない統一では砂上の楼閣になる。北韓住民の生活を建て直すことに焦点を合わせたという点で、ドレスデン構想は今までの考えから一歩前進したものと評価したい」
―― ただ、北韓側が受け入れるでしょうか。
「世論をすぐに変えるのは難しいが、統一への支持は得られると思う。北韓には250万台の携帯電話があり、外部の情報が活発に行き来している。物資の7割以上が市場を介して流通している。90年代初頭に東欧諸国が没落したのと同じように、外部の情報を遮断するという愚民化政策は効きにくい時代だ」
―― 中国との関係が深まっています。韓中関係の発展と統準委発足との関係は。
「韓国は地政学的に強大国に囲まれている。中国もその一国で、統一プロセスに影響を及ぼす。韓中対話の進展は、統一問題を顕在化させるための重要なモチーフになったと思う。習近平が7月初めに訪韓したことや、昨年6月末、朴大統領が北京で習近平と7時間半かけて会談したが、韓半島の平和統一問題について虚心坦懐な意見交換があったと捉えることができる。大統領は今、統一の話を外部にオープンにできる環境になったと自信を持っているのではないかと思う」
―― 中国は北韓と血盟関係にあります。韓国主導の統一を支持するでしょうか。
「中国が北韓への見方を変えている。北政権を維持させることが、安全保障上の利益と考えているが、天安艦爆沈、延坪島砲撃、その後の核実験の強行などで、中国には逆に戦略的な負担になると考えている。中国経済も7%台の成長率に座り込み、2016年からは工業生産人口が減少し始める。これは、一人の若者が複数の人を扶養する高齢化社会への進入を意味する。中国はただでさえ貧富の格差が激しく、ジニ係数は0・73(0・4以上で社会不安に発展)に達している状況だ。経済成長が止まったら、共産党体制維持に危険要素として作用するはずだ」(次号に続く) |