東日本大震災から1年経った。その後、関東・東北地方の震源域は余震の連続だ。あらためて日本は「地震の巣」の上に立っていることを感じさせる。地震に備えるため、日本では驚異的な耐震技術が発達してきた。震源地に近かった仙台の高層ビルは、震度7という揺れに襲われたが崩壊しなかった▼地震に対する備えは学術界でも盛んだ。1月末に東京大学地震研究所の教授が、4年以内に東京で「大地震」が発生する確率は70%だと発言した。30年以内では98%だという。しかし「3・11」の前、「東海は大変危険だが東北のリスクはほぼゼロ」と言い続けてきたのは彼ら研究者たちだ。東京大学院の地震学者ロバート・ゲラー教授は昨年4月、「予知できる地震はない。さらに地震予知は検証されていない予測モデルにデータを入力し、出力された無意味な数字に基づく『予言』」だと述べている。人類は地震を予知する技術はほとんど進歩させられずにいるのだ▼これと全く同様なのが、北朝鮮専門家・研究者の発言だろう。北で何かがあるといつも「専門家」がテレビや雑誌で発言する。彼らの多くは「北はすぐにも崩壊する、ソウルは火の海になる」など、テレビ局側が言ってもらいたいことを「あうんの呼吸」で代弁してきた。不安心理だけを煽るが、結局専門家の解説とは逆に、北は崩壊もせず、3代世襲を続けている。北についても検証することができないデータを入力した推測にすぎなかった。せっかくまとまりかけた米朝会談の行方にも、北のミサイル発射予告で不安だけが残ることになった。 |