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2012年03月07日 00:00
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宣言・綱領に矛盾 議論をつくせ

 2月23日、民団の定期中央大会で呉公太団長以下、新三機関長が決まった。在日同法社会を代表する団体の舵取りという重責がかかる役職に名乗りを上げ、多くの支持を得て選出された3人をひとまず祝福したい。今後3年間民団を先頭で率いていく彼らは、それぞれ40年以上の組織活動歴を持つ。その豊かな経験に期待もしたい。

尽くされなかった議論
 大会では、民団の再躍進への結束を誓う第7次宣言と新綱領が採択された。22日の中央委員会では傘下団体の直轄という重大な措置があった。だが、この問題とも関連して、今日民団が直面している諸問題への真剣な論議は見受けられなかった。新宣言と綱領、そして2011年の総括と2012年の重点方針などの採択過程でも、活発な議論が交わされたとはいいがたい。在日韓国人社会を代表し、本国政府から莫大な支援を受けながら、組織として備えるべき最低限の秩序や体制も整っていないようにも見えた。
 2011年の総括は弁明ばかりで、「二大運動」においての中央本部の役割や実績と認められるものはなかった。「三大事業」と「各種事業」の実体は空虚なものだ。2012年の重点方針も同じである。ビジョンも各論もない、習慣的にスローガンや目標を並べただけだ。民団中央は、3・11などの発生で後手に回ったと話すが、総括や新しい宣言と綱領は明らかに密室の中で何人かが話し合って作ったものとしか思えない。
 宣言・綱領や規約・規定の改正結果には、到底見逃せない重大な矛盾やミスが多い。宣言や綱領は単純明瞭であるべきだが、今回の第7回宣言と綱領は、文面に曖昧な表現やおかしな部分が目立つ。混沌そのものだ。
 民団の第7次宣言と2012年度重点方針は、「地方参政権運動」と「在外国民選挙参与運動」を謳っている。そして規約や宣言では、民団は日本国籍取得者や新規定住者などを幅広く結集すると宣言している。しかし、今回採択された規約と宣言は、明らかに団員を差別し矛盾する目標を打ち出している。
 例えば、団員資格を持つことになった日本国籍取得者は、当然ながら日本の国政参政権を持っている。永住権を持たない新規定住者は、地方参政権運動では対象に入っていない。半面、在外国民選挙参与問題においては基本的に日本国籍者は対象になれず、永住権を持たない新規定住者は本国での選挙権行使が可能になっている。地方参政権運動と在外国民選挙参与運動は、永住権を持つ民団員だけを想定した運動なのだが、これに日本国籍取得者や永住権を持たない新規定住者を参加させるのはいかがなものだろうか。
 驚くべきは組織基盤強化を明言しておきながら、三代世襲に盲従する朝総連との闘争などには一言も触れていない。韓半島の平和定着ばかりを謳って、脱北者を北へ強制送還する中国当局への糾弾もせず、「750万海外同胞の頑固な相互連帯の構築」を掲げるのは虚しくないか。地方参政権獲得運動の失敗へのまともな総括もなかった。

民団と大使館に聞きたい
 宣言と綱領に関して、民団中央に聞きたいことがある。新綱領の第一は、「我々は大韓民国の国是具現を期する」とし、「国是」を「大韓民国憲法の前文」としている。なぜ憲法前文が国是なのか、その憲法前文の具現とは何なのか。綱領の5番目は、「我々は、日本地域社会の発展を期する」と謳っているが、日本社会と日本地域社会を区別する基準と理由は何か。宣言の七項は、永住外国人への地方参政権付与を促しているが、民団が永住外国人全体を代弁する団体たりうると考えているのか。
 中央委員会と中央大会は様式的な行為に終わってはならない。全在日同胞が、本国が、そして日本社会が民団に注目している。ビジョンを出せないなら、民団は寿命が尽きた団体になる危険性がある。韓国大使館にも聞きたい。本国政府に対して重大な問題と負担を提起している民団に対して事前に適切なアドバイスをする責務は放棄したのかと疑わしくなる。

2012-03-07 2面
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