在日韓国民団の中央大会が2月23日東京で開かれる。この日選出される団長、議長、監察委員長の三機関体制が今後3年間の活動をリードする。在日同胞は三機関が同胞社会の進路を開拓し、次世代を導けるか注目している。これは在日同胞たちの切実な願いだ。
逆説的に言えば、これは民団が同胞の願望に十分応えることができず、民団が自任する在日同胞の求心体であるという組織力も発揮できなかったという、骨身にしみる指摘でもある。
「仕事しない民団」という汚名
現在民団が抱えている深刻な問題は「仕事をしない民団」との汚名を抱えているという点だ。執行部をはじめ当事者たちは否定するだろうが、この指摘は同胞社会、ひいては母国韓国においてもなされている。ニューカマーたちからは「民団は一体何をするところなのか」という質問を受けるし、民団の現役幹部から「その間執行部がなした仕事は何かが分からない」という愚痴に接する。
2006年5月の「5・17事態」(総連との和解工作)を収拾し、その年9月に登場した鄭進執行部は公約に地方参政権獲得実現、財政の自立達成、次世代育成などを挙げた。しかし5年半が経過した現時点で、どれ一つ成果を収めたと評価できる公約を見つけることは難しい。
自省なき地方参政権運動18年
民団は94年から地方参政権獲得を最重要課題とし、約18年もの間キャンペーンを繰り広げてきた。2009年8月の衆議院議員選挙では創団以来初めて選挙に介入。民団が暗黙的に応援する民主党が勝利し、地方参政権は手中できるかに見えた。
しかしながら民主党政権はさまざまな口実を並べて地方参政権を付与せず、今もそのような意思はないように映る。その間韓国の大統領は金泳三、金大中、盧武鉉、李明博と変わった。どの大統領も日本の首相に「在日同胞に地方参政権を付与してほしい」と頼んだ。ここまで働きかけても実現していないなら「現状では実現しない案件」とみなし、キャンペーンの戦術と方法を変えるのが当然だ。
本国支援金を正しく使え
民団に対する韓国政府の支援金は古くから論争の種であるが、いざ民団組織内では口にすることさえはばかられるタブーだ。1977年3月に制度化された頃、民団創立の主役の中には「後日組織の弱体化につながるかもしれない」という憂慮があった。最近、その言葉が現実になったように見える。
当初政府の民団支援金は、日本内の親北勢力と対峙して戦う“闘争補助金"的な性格が強かった。10億円ベースで出発した支援金は、1人当たりの国民所得が2700ドルにすぎなかった母国が拠出できた税金としては相当な額だった。名目は大きく2つ。半分は専従活動家のための生活安定化資金として、残り半分は対親北勢力との闘争を支援するものであった。これをあたかも民団だけのための組織費と錯覚するのは困る。
組織弱体化に対する責任意識は
組織力の回復も民団の革新的課題の1つだ。1、2世の引退や日本国籍者の増加などによる弱体化の環境的側面がある。しかし外国において民族団体として活動していこうとするなら、マイノリティーという生来の限界を抱えて行う以外にない。
会員が3万人内外という総連は昨年12月末、金正日追悼式に5000人(警察庁推算)を集めた。40万団員という民団の総動員力をもってしても8・15式典の参加人数が1万人内外であることを勘案すれば、これは大きな結束力だ。
貧しかった時代でも民団が行事を開催するとなれば優に数万人が集まった。民団が民族団体として在日同胞を先導し、みずからの権益を擁護するという確固たる信念を認められていたからだ。現在の民団にそのような信頼と魅力があるだろうか。
民団は23日の大会にかける同胞の期待にこたえなければならない。その出発は痛烈なる自己反省から成さなければならないだろう。 |