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2011年09月14日 09:20
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忘れられないデマの悲劇=編集余話 瞻星台

 3月11日の東日本大震災から6カ月を経た、9月1日の「防災の日」を皮切りに各地でキャンペーンが行われている。9月1日は在日同胞にとっても忘れられない日である。震災直後に流されたデマによって、無辜の朝鮮人が自警団によって虐殺された。この悲劇を髣髴させる動きが、今回も一部ネット上で見受けられた。ごく一部であっても、在日同胞にとっては看過できるものではない▼3月11日の午後3時23分、ツイッター上に「阪神大震災のとき、地震で、朝鮮人によるレイプ多発。みなさん、気をつけて。周知をお願い致します」とのツイートが流され瞬時に拡がった。大津波の被害や、製油所の火災の報道などが広がるにつれ、内容もエスカレート。3月中旬には宮城・岩手・福島の県警がウエブサイトなどでデマを打ち消すための呼びかけを行った。時の官房長官も繰り返しデマに惑わされないようにアナウンスしたこともあり、徐々にデマは収束していった▼災害時には、その社会に内在する様々な偏見・感情が噴出すると言われている。情報のインフラが機能しなくなり、情報への渇望からくる不安感が、根も葉もないデマを信じさせてしまう。これが「放射性物質にはうがい薬が効く」などの「善意」からのデマならまだしも、偏見に基づいたスケープゴートを作り出す攻撃的なデマは許されない。その最たる例が関東大震災時の大虐殺なのだ。過去の様々な災害経験から日本は教訓を学び実践してきた。災害時の二次災害とも言うべき悪意あるデマとどう対峙するかも問われている。

2011-09-14 1面
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