福島第1原発事故の影響で、韓国内では日本から輸入する水産物と畜産物に対し不安の声が高まっている。これを受け、韓国政府は放射能汚染の有無を確認する精密検査を行っている。
| 放射能検査を行っている関係者 | 韓国政府は3月25日、国務総理主宰で食品安全性対策推進状況を点検する会議を開催した。会議では日本の放射能汚染地域産の食品に対し、安全対策を強化することが決定。福島県産のほうれん草、キャベツ、ブロッコリー、茨城県産のほうれん草、パセリ、群馬県と栃木県産のほうれん草などを暫定的な輸入中断品目にすると説明した。
政府は同日、農林水産食品部消費安全政策官をチーム長とする放射能安全管理迅速対応チームを設置し、情報収集、検査、国民向け広報機能などを統合して担当すると決めた。
農林水産食品部は3月28日、放射能漏れ事故以後に輸入された水産物と畜産物144件について精密検査を実施した。検査項目はセシウム134、セシウム137、ヨウ素131の3つの放射性物質。その結果、水産物97件と畜産物9件からは放射線物質が検出されなかった。残りの38件は精密検査中だ。
政府の精密検査の結果が発表されたにもかかわらず、日本産の食品や工業製品などに対する消費者の不安は消えず、韓国の主要流通業界は販売・輸入を暫定中断する動きを見せている。
新世界デパートは日本産のスケトウダラやサンマなど水産物の輸入を震災直後から暫定的に中断したが、日本の現地状況が安定し、政府レベルで放射能精密検査を通過した物に関しては輸入を再開するとしている。チョコレートや菓子、飲料、茶、調味料など加工食品類は震災以前に3~4カ月分を確保していたので、放射能汚染と関係がなく、販売を継続する予定。
食品部の劉正福長官は「政府は日本から輸入するすべての畜産・水産物に精密検査を実施し、全水産物に対するモニタリングを強化し、考えられるすべての問題に先制対応していく」と述べた。 |