11日に発生した東日本大震災から2週間がたとうとしている。地震と津波による死者・行方不明者は2万2000人に迫り、なお増え続けている。未曾有の大災害に苦しむ被災地では救援活動が本格化し、復旧への足がかりが築かれつつある。在日韓国民団や駐日企業連合会など在日団体も被災地の民団各県本部や支部、傘下団体とともに被災同胞の安否確認作業を進め、救援活動を繰り広げている。一方、食糧や燃料不足、原発事故の影響により被災地では不便な生活とさらなる避難を強いられている。
=関連記事2、3面
| 宮城県石巻市渡波の避難所に救援物資を届けた東京韓国商工会議所の救援隊(18~19日) |
| 19日から郡山発新宿行きバスの運行が始まった。福島民団では避難する韓国人旅行者らのサポートを行っている(20日、JR郡山駅前) |
▼被災状況
東日本大震災による地震、津波、火災など超広域大規模災害で22日午後11時現在、死者は9199人、行方不明者は1万3786人となり、死者不明者は計2万2985人に達した(警察庁緊急災害警備本部まとめ)。負傷者は2722人に上っている。このほか津波による被災者で警察への届出がなく、安否不明の人は相当数にのぼっている。岩手県大槌町で8000人、宮城県南三陸町で8000人と連絡が取れず、同県石巻市、女川町でも不明者多数が出ている。福島県浪江町で1000人以上の人と連絡が途絶している。
建物は計12万8507戸が損壊した。30万人以上が避難所で生活している。
在日韓国人の21日現在の被災状況は、在日韓国民団によると、死者4人。内訳は宮城1人、福島1人、茨城2人。朝鮮総連でも2人の同胞死者を確認したもよう。
また、これまでのところ在日韓国人の被災世帯は同日現在、203世帯607人。内訳は宮城75世帯262人、岩手29世帯102人、福島93世帯235人、千葉3世帯8人、茨城20世帯71人となっている。このうちまだ安否の確認が取れない世帯は計81世帯260人にのぼる。宮城県下で最も多く、55世帯192人と連絡不通の状況だ。次に福島県下の25世帯63人。岩手は1世帯の5人とまだ連絡がついておらず、韓国人宣教師2人の安否が不明になっている。地元市町村の避難所に避難している人も多い。韓国外交通商部の閔東石第2次官が18日明らかにしたところでは、同日朝現在で駐仙台総領事館が掌握している韓国人963人のうち1人が死亡した。また730人の安全を確認、231人とは連絡が取れていない。
建物の全半壊・流出は宮城、福島で多数出ている。(2面に民団各地方本部の被災状況)
▼在日団体の救援活動
被災状況を受け、民団はじめ在日同胞各団体は震災対策本部を設置し、救援活動に入っている。
民団は地震直後に緊急対策会議を開き、12日、「東日本大震災被災者支援中央対策本部」を設置。被災地救援先遣隊が同日、仙台に向け出発。被災状況の確認作業を行った。現地の民団地方本部も対策本部を設置し救援活動を行っている。民団は16日には緊急中央執行委員会を開き、同日付で「民団義捐金募金」を開始。同時に被災者を救援するボランティア団の募集も始めた。救援物資の集積とともに本格的な支援活動に入る。ボランティア団は駐日韓国大使館が支援し、在日韓国民団と駐日韓国企業連合会が中心になって推進する。
在日韓国商工会議所(韓商連)も緊急対策委員会を設け、被災地の情報収集と同胞企業の安否確認と被害調査を進めている。被災地域の復旧・復興支援を最優先して今後の活動を行うことを決定した。
韓商連傘下の東京韓商は17日、2トントラックに物資を積んだ救援隊を被災地に送り、仙台市、東松島市、石巻市に届けた。 |