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2009年07月08日 00:00
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韓日関係の現実と未来 再開したシャトル外交
独島 教科書 北朝鮮・・・課題は山積だが

霊山大学教授 崔永鎬
 6月下旬、国益と実利を土台にした韓日首脳会談が両国間の協力ムードを高めた一方、名分と自尊心のかかった歴史認識論争が民間レベルで繰り広げられた。韓日関係の現実と未来を大切に考える人なら実利も名分もどちらもおろそかにはできないだろう。
 李明博大統領と麻生太郎首相は6月28日、韓日首脳会談と拡大会談、両国経済人との懇談会などで約4時間という長い時間をともに過ごした。
 
崔永鎬(チェ・ヨンホ)  1955年生まれ。東京大学国際関係論博士課程修了。立命館大学コリア研究センター特別研究員。霊山大学教授。
 北朝鮮の2回目の核実験を受け、朝鮮半島と北東アジア地域の安保危機が高まっている中で韓米・韓日首脳会談が行われたことは、韓日米「三角共助」を再確認したという点でその意義は大きい。
 両国首脳は2国間の課題として、自由貿易協定(FTA)議論の進展と多様な人的交流事業に合意。在日韓国人に対する地方参政権付与についても話し合った。また、G20金融首脳会議での共助、気候変動への対応、アフガニスタンとパキスタンに対する共同支援といった世界規模の問題についても幅広い意見交換を行った。
 一方、独島領有権問題や歴史教科書問題などの敏感な話題は公式議題から外された。今年1月の麻生首相訪韓で、約半年ぶりに再開されたシャトル外交の場で歴史認識問題を取り上げることが望ましいか否かについてはさまざまな意見があるだろう。
 筆者は、小泉純一郎元首相の靖国参拝のように、相対国の首脳が直接問題を引き起こしたわけでないかぎり、敏感な問題を議題にするのは避けるべきだと考える。歴史認識以外の分野に関する多様な協力関係維持のためのみではない。歴史問題の解消に向けた協力関係維持のためにも必要だと考えるからだ。
 歴史認識問題は、互いに異なる歴史と文化を持った国の間では絶えず調整して解消していかねばならない問題だ。決して短期で解決できる問題ではない。閣僚レベルで歴史認識に関する攻防があっても、首脳会談でもめる姿を見せるのは望ましくない。かといって歴史認識問題が実際に存在している状況を看過したり無視してはいけない。独島領有権を含む歴史認識問題は、いつ両国国民の感情に火をつけるかわからないからだ。
 最近日本で展開されている、歴史認識問題に係わる二つの事例を紹介したい。
 一つ目は、「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)の動きだ。
 つくる会が作った自由社版中学校歴史教科書が今年4月、文科省の検定をパスした。韓国政府はその日の午後、外交通商部報道官声明を通じて「過去の過ちを合理化し美化する誤った歴史認識に基づく歴史教科書」を合格させたことに抗議し、日本の青少年が歪曲された教科書で誤った歴史観を持つことを憂慮すると発表した。
 つくる会の藤岡信勝会長は6月22日、李明博大統領と権哲賢駐日大使に公開質問状を送った。内容は韓国政府の抗議について、非公表で行われ、文科省以外知りえない検定内容をなぜ知ったか、あるいは内容を知らずに声明を発表したのかという声明発表に至る経緯を尋ねるもので、6月30日までの文書回答を要求している。また、「過去の過ちを合理化し美化する」、「歪曲」といった表現に対し、具体的にどの記述が相当するのかという指摘も求めている。
 つくる会側は「韓日両国の友好親善に反するこのような内政干渉はやめるべき」と主張しているが、つくる会によると、期限までの回答はなかったという。
 つくる会が関わった歴史教科書について、日本では2001年、愛媛県教育委員会がつくる会メンバーらが執筆した扶桑社版中学歴史教科書を採択すると決めた。これに対して市民団体「えひめ教科書裁判を支える会」(支える会)が結成され、採択阻止のための訴訟を申し立てた。韓国でも「アジアの平和と歴史教育連帯」が原告団を構成し、支える会の活動を支援している。
 支える会のような採択反対運動を、二つ目の事例として紹介したい。
 東京都教育委員会は06年、「独善的で教員はもとより公務員としての自覚や責任感に著しく欠ける」として、増田都子氏を免職した。
 増田氏は97年3月、当時勤めていた都内の中学校で戦中の日本軍の侵略行為や植民地支配の歴史をテーマにしたビデオを見せ、彼女の卒業生が卒業式の国歌斉唱時に起立しなかったことなどが教育委員会などに問題視された。05年には盧武鉉大統領の3・1節記念辞を授業で取り上げ「真の和解のために日本人は何をしなければならないだろうか」と学生に問題提起するなど、独自の歴史観を教育の場で示してきた。
 増田氏の教育方法について、都側は3度も研修を行うなどして問題点を指摘してきたが、増田氏は考えを変えることはなかった。
 増田氏は06年9月、支援者らとともに免責処分取り消しを求める訴訟を起こした。今年6月11日、東京地裁民事部は原告敗訴の判決を下した。提訴から2年9カ月経っていた。
 増田氏が「新しい歴史教科書」と一部の都議について、「国際的に恥をさらすだけの歴史認識」、「歴史偽造主義者」などと中学生に指導したことに対し、裁判所は客観性なく誹謗した行為として兔職処分は正当だと認めたということだ。この判決が出た直後、増田氏は抗議声明を発表。彼女の戦いはまだ続いている。

2009-07-08 3面
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記事: 統一日報社 (web@onekoreanews.net)  
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