Kファッションのユニコーン企業が誕生
韓国ファッション(Kファッション)が日本で若者を中心に爆発的な人気を集めている。その牽引役となっているのが、韓国を代表するオンラインファッション・プラットフォーム(ECサイト)を運営するMUSINSA(ムシンサ)だ。
MUSINSA(本社・ソウル)は2001年にスニーカー(靴)のオンラインショップからスタートし、09年に韓国ファッションのオンラインストア「MUSINSA STORE」をオープンした。以来、Kファッション産業の急成長に伴い、同社の業績も拡大し、23年には年間取引額2兆3000億ウォンを超えて、韓国10社目のユニコーン企業(企業価値10億ドル以上のスタートアップ企業)になった。
22年にはグローバル・ストアを開設し、日本を含む世界13地域でサービスを展開しており、23年時点で2000ブランド以上のKファッション製品を取り扱い、会員数は2000万人以上に達する。
期間限定のポップアップストアで日本進出
MUSINSAが日本で注目を浴びる契機になったのは、KPOPグループのNewJeans(ニュージーンズ)をグローバル・アンバサダーに起用して、23年4月に東京・原宿で開催した期間限定のポップアップストアだった。これは韓国の人気ファッション製品が一堂に会したKファッションの祭典としての展示販売イベントである。
直近では今月3~26日まで東京・渋谷で25年度のMUSINSAポップアップストアが開催された。ここではソウルで人気のデザイナーズブランドを中心に約80ブランドが集結。開催初日から3日間で延べ1万人を超える来場者が押し掛けるほどの大盛況を博した。
ZOZOTOWN出店とオフライン店舗の2正面作戦
来月には、日本のファッション通販サイトZOZOTOWNに「MUSINSA STORE」がオープンする。このZOZOTOWN店では、オープン時点で約140ブランドのKファッション製品を取り扱い、その後、1500ブランド以上にまで順次拡大していく予定という。
MUSINSAは韓国ではオンラインショップのみならず、ソウルで自社ブランドの路面店を複数店舗運営しており、今後、日本でのオフライン店舗の開設も計画している
ファストファッションでは、スペイン発祥のZARA、スウェーデンのH&M、日本のユニクロがグローバル市場で三つ巴の争奪戦を演じている。最近では、これに割って入る形で、中国のSHEIN(シーイン)と韓国のMUSINSAがオンライン販売で急伸、急追しており、ユニクロvsMUSINSAの韓日競合にも注目が集まっている。
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