【ソウル】政治ブローカーのミョン・テギュン氏に世論調査を依頼し、その費用を後援者に肩代わりさせたとして政治資金法違反の罪に問われた呉世勲ソウル市長に対し、ソウル高裁は23日、無罪判決を言い渡した。罰金1000万ウォンと追徴金2100万ウォンを命じた一審判決を覆した。特別検察官側は上告する方針を示しており、今後、大法院(最高裁)の判断が焦点となる。
ソウル高裁刑事7部は判決で、主要な直接証拠とされたミョン氏の供述について「信用し難い」と指摘。「断片的な事実だけでは、公訴事実を認定するには不十分だ」と判断した。共に起訴された姜哲遠(カン・チョルウォン)元ソウル市政務副市長と後援者のキム・ハンジョン氏も無罪となった。
金建希(キム・ゴンヒ)氏を巡る疑惑を捜査した特別検察官チームは、呉市長が2021年のソウル市長補欠選挙を前に、ミョン氏に計10件の世論調査を依頼し、費用3300万ウォンをキム氏に肩代わりさせたとして起訴した。一審は、このうち5件について呉市長の依頼と計2100万ウォンの費用負担を認定し、有罪と判断していた。
控訴審では、ミョン氏の供述の信用性が争点となった。一審は客観的証拠と一致する一部の供述を信用できるとしたが、控訴審は供述全体の信用性に疑問を呈し、一部だけを信用できるとする根拠も不十分だと判断した。
裁判所は、呉市長がミョン氏と初めて会ったのが依頼の2日前だったとされる点に触れ、「初めて会った相手に違法な費用負担まで求め、泣きながら世論調査を依頼したという説明は、常識的に受け入れ難い」と指摘した。また、違法な費用負担を公然と求めた上、銀行口座に付加価値税まで送金したとの説明についても、異例だとして認めなかった。
呉市長は判決後、「潔白を信じ、6月3日の地方選挙で投票してくださった市民の皆さんに心から感謝する。さらに懸命に働いて恩返ししたい」と述べた。