【ソウル】 米国政府が韓国に対し、2025年の関税交渉で合意した3500億ドル(約53.5兆円)を上回る規模の対米投資を求めていることが9日分かった。産業通商部が国会の関係委員会に非公開で報告した。
これに対し政府は、実際の投資規模が合意済みの3500億ドルを超えないよう、米国側と最終調整を続けている。国会関係者によると、米国側が提示している事業の総額は3500億ドルを上回っている。
交渉の焦点となっているのは、①テキサス州エンシナルでのガス複合火力発電所の建設、②大型原子力発電所8基の建設、③アラスカでの液化天然ガス(LNG)開発――の3事業だ。
韓国は米国が韓国製品に課す関税率を25%から15%に引き下げる条件として、造船分野への協力1500億ドルと戦略的投資2000億ドルの計3500億ドル規模の対米投資を約束した。今回の交渉対象は、このうち戦略的投資の2000億ドルに含まれる。
エンシナルの発電所建設には220億ドル、大型原発8基には1200億ドルが必要とされ、2事業だけで計1420億ドルに達する。戦略的投資枠2000億ドルの7割を超える規模だ。
さらに、建設費の上昇などによるコスト膨張のリスクに加え、トランプ米大統領が重視するアラスカLNG開発も加わるため、2000億ドルの投資枠を超える可能性が高まっている。アラスカLNG開発については、収益性を確保できるか不透明で、韓国側では採算性を担保することが難しいとの見方が強い。
政府は最終調整を経て17日、対米投資の内容を国会に非公開で報告する予定だ。早ければ18日に米国側との覚書(MOU)の締結を進める方針とみられる。