住宅価格が安定すれば消費構造が変わり、結婚や出生率にも前向きな影響を及ぼす可能性があるとの分析が示された。
新韓金融グループ(会長・晋玉童)傘下の新韓未来戦略研究所が発刊した報告書「住宅価格が安定すれば変わること」によると、韓国の資産格差と内需停滞の背景には不動産資産の格差があることが明らかになった。
韓国のPIRは24倍…持ち家まで24年
報告書は、家計資産の約70%が不動産に集中している資産構造のなかで住宅価格が上昇すると、資産格差の拡大と住宅費負担の増加につながり、結果として家計消費を萎縮させると分析した。
韓国の純資産ジニ係数は2025年に0・625となり、過去最高を記録した。上位20%が全体純資産の65%を保有する一方、下位40%は4・8%にとどまった。家計資産が不動産に偏った構造のため、住宅価格の上昇が資産格差を拡大させ、階層間格差をさらに広げているとの分析だ。
住宅価格の負担も大きい。韓国の所得対比住宅価格比率(PIR)は24・1倍で、中位所得世帯が所得をすべて貯蓄したと仮定しても、持ち家取得まで24年以上かかる計算になる。
その結果、資産は増えても実際に使える現金は不足し、消費を抑制する構造が形成されている。つまり韓国はPIRが極めて高く、消費性向が低い構造となっているとの指摘だ。
住宅費負担の軽減が結婚・出産増加へ
住宅価格が安定すれば、若年層を中心に消費余力が回復する可能性が高いと分析されている。住宅費負担が軽減されれば、これまで断念していた教育や自己啓発への投資が増え、経済活動が活発化するという説明だ。
また「結婚=住宅購入」という韓国社会の認識のなかで、住宅負担の軽減は結婚や出産の増加にもつながる可能性が高い。
報告書は、若年層では積立預金や積立型ファンドなど金融商品需要が拡大すると予想し、高齢層では住宅価格上昇への期待が弱まり、大きな住宅を売却して金融資産を増やす「ダウンサイジング」が増えると見通した。
新韓未来戦略研究所は「住宅費負担の緩和は消費回復や結婚・出産環境の改善など、家計の経済活動全体に前向きな変化をもたらす可能性がある」と述べた。