揺らぐ韓米同盟、相次ぐ異変の兆候

在韓米軍の反論から連合演習縮小まで
日付: 2026年03月03日 08時59分

 韓米両国の軍当局は今月9日から合同演習「自由の盾(FS、Freedom Shield)」を実施すると発表したが、準備の過程で表面化したメッセージの食い違いや訓練調整を巡る論争を受け、両国間の相互信頼が揺らいでいるとの見方が広がっている。とりわけ、米軍と中国戦闘機の対峙を巡る韓米間の認識の違いが公に示されたことは極めて異例だ。

 

 「自由の盾」は韓米両国の年次合同演習だ。しかし、大規模な統合訓練を求める米国と、縮小を志向する韓国と最後まで意見が対立し、最終段階で訓練規模の縮小に合意したとされる。
表向きは「意見の相違はない」としているものの、指揮所演習(CPX)と連動する野外機動訓練(FTX)の規模や回数を巡り、両国が最終局面まで激しい駆け引きを繰り広げたとの見方もある。
過去にも細部の調整を巡る意見の違いはあったが、今回のように対立の様相が外部にまで伝わった例は多くない。

深夜に在韓米軍が異例の反論

より深刻なのは、両国間の「信頼の亀裂」が公然と議論の俎上に載せられている点だ。
発端は2月18日、在韓米軍による西海上空での訓練中に発生した米軍と中国戦闘機の対峙事案だった。
事案後、韓国国防部は在韓米軍側が遺憾の意を示したと説明したが、在韓米軍司令官ジェイビア・ブランソンは2月24日夜、声明を通じ「即応態勢の維持について謝罪はしない」と真っ向から反論した。同盟国間の軍事懸案を巡り、公開の場で相反する立場が示されたのは極めて異例だ。
これは単なる軍事的判断の相違にとどまらず、事前の十分な調整を経ずに各自の立場を外部に示した点で、同盟運営体制に亀裂が生じているのではないかとの懸念を生んでいる。

食い違う戦略上の優先順位

こうした不協和音の背景には、安全保障認識の根本的な差がある。韓国は韓半島の緊張をコントロールし局地的衝突の回避を重視する一方、米国はインド・太平洋戦略の一環として対中牽制を最優先している。在韓米軍の役割を巡っても、韓国が「韓半島有事の抑止力」に重点を置くのに対し、米国は「対中牽制のための戦略資産」として活用する姿勢が強い。
問題は、こうした亀裂の兆しが一過性の出来事に終わらない可能性がある点だ。韓国政府が力を入れてきた原子力推進潜水艦の建造や、ウラン濃縮・再処理権限の確保を巡る交渉が遅れる可能性も取り沙汰されている。当初2月末に予定されていた米国交渉団の訪韓日程が「未定」に延期されたことも、最近の韓米間の微妙な緊張と無関係ではないとの観測がある。
韓米内部の対立が外部に露呈すれば、北韓や中国がこれに乗じて同盟の分断を図ったり、韓国の安全保障態勢を試したりする危険性が高まる。
強力な抑止力は物理的な軍事力のみならず、「揺るがぬ同盟」という対外的信頼から生まれるという点で、今回の論争は単なるハプニングとは言い難い。

共同ブリーフィングに臨む韓国合同参謀本部と在韓米軍司令部の広報担当者

 

 


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