『済州島四・三事件 ハラン』予告編を見て 寄稿・安部桂司

韓国誕を阻止するた南労党が起こした武装蜂起
日付: 2026年02月25日 11時10分

 映画の予告編がネットに流されている。現今の世界はロシアのウクライナ侵攻、中共の台湾侵攻への動きに現れているように、民主主義と権威主義の戦いの真っ最中である。そういう世界情勢下で、1948年の済州島の武装闘争を描くことの意味、意義は何であろうか。
あの武装闘争は南労党が起こしたもの、済州島民というよりも共産主義者の起こしたものだった。今でいう権威主義を奉ずる組織が民主主義へ向かう、まだ成立していない大韓民国成立への武力阻止の動きであった。
54年発行の『実業の世界』誌の「臨時増刊・韓国特集」号記載の「韓国年表」に済州島4・3事件は、「済州島で共産分子武装暴動(4・3事件)」と記述されている。
48年に記載された4・3事件前後の韓国を巡る記述では、
・3月16日、北朝鮮・中共秘密軍事協定締結。
・4月19日、金九・金奎植向北、南北代表者連席会議(第一次)参席、21日第二次会議(金奎植不参)、5月5日帰京。
・5月10日、国連韓国委監視下で南韓総選挙実施(左翼系・南北協調派不参)。
・5月14日、北韓、南韓に送電を断絶。
・7月1日、国会、国号を大韓民国と決定。
・7月20日、国会、初代大統領に李承晩・副大統領に李始栄選出、24日に就任。
年俵の流れから、48年4月3日の武装蜂起が民主主義国家誕生への阻止行動であったことが、容易に推察される。
では、何故に韓国全体でなく武装蜂起が済州島のみで行うことが可能であったのだろうか。それは武器弾薬を容易に南労党が手に入れられたからである。その武器弾薬とは帝国陸軍4個師団が米軍上陸阻止の為、済州島に布陣していたからだ。帝国陸軍は洞穴の陣地を構築し、そこに武器弾薬を貯蔵していた。敗戦と同時に武器弾薬の大半を放置して日本へ引き揚げた。
そして済州島の南労党は何処からの指示で武装蜂起を行ったのであろうか。
武装蜂起から2年後に密かに配布された「青刷り」の資料、『済州島の現況』には以下のように記載されている。
「国府軍の航空基地となるなどとの噂もあり、米ソ両国のすさまじい国際政治線上に新しくクローズ・アップされてきたので、こうした客観的情勢にかこまれた済州島の地位について若干の考察をしてみた」と、『済州島の現況』は書き始めている。読み進めると、「10日済州島でははげしい戦斗が行われている。同島の共産系ゲリラ部隊は山岳地帯から出撃してテロ行為にでるので選擧官吏は辞職して了った」
つまり、民主国家の大韓民国の誕生を阻止するための武装蜂起だった。


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