与党「共に民主党」は、最高裁判事(大法官)を現在の14人から26人以上に増やす法案と、最高裁判決に対する憲法裁判所の審査を可能にする裁判訴願制度を強行推進している。野党や法曹界からは「司法権の独立を侵害し、権力集中を招く」との非難が相次いでいる▼背景には、李在明大統領の公職選挙法違反事件が絡む。2025年5月、最高裁が李氏の無罪判決を破棄し差し戻した直後、民主党は改革を加速させた。これにより、李大統領は任期中に最大22人の判事を任命可能になり、自身の事件に関わる裁判所の構成を有利に変えられる可能性がある▼裁判訴願制度は、最高裁判決後も憲法裁判所で再審査を求められる「事実上の4審制」を生むと指摘され、司法プロセスの長期化が懸念される。民主党は、改革を「司法の効率化と多様化」と主張。判事推薦委員会の構成多様化や判決文公開拡大、捜索令状の事前審問制導入も含む5大改革案を掲げ、今年中の成立を目指す▼最高裁は「深刻な副作用が予想される」と反対意見を表明したが、無視された形だ。法曹界では、増員のため中堅判事100人以上を最高裁に配置転換する必要があり、下級審の人員不足が深刻化し、判決遅延が悪化する恐れを警告▼政治的な「コード人事」の懸念も浮上。一政権が大量の判事を任命すれば、司法の公正性が損なわれ、権力統制機能が崩壊する。国際的に見て、ベネズエラのチャベス政権は最高裁判事12人増員後、人事で独裁体制を強化し、国家崩壊を招いた。