旧正月商戦に中国人客特需

日中関係悪化で訪韓客急増
日付: 2026年02月25日 10時25分

 韓国の旧正月であるソルラル期間中の商戦が、中国人観光客特需に沸いている。日中関係の悪化で中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたことも影響し、訪韓客が急増したことが、起爆剤となった。韓国政府も中国人客への販促イベントを開くなど、消費活性化を図っている。
15日には文化体育観光部の崔輝永長官が、ソウル中心部の明洞を視察。中国電子商取引(eコマース)最大手のアリババグループ系電子決済サービス「アリペイ」の利用促進キャンペーンイベントに出席し、中国人客にアピールした。
流通業界関係者は「中国人観光客は日本の消費を押し上げていたが、中国政府の方針を受けて日本への渡航を自粛し、代わりに韓国を訪れているのではないか」としている。
文化体育観光部と韓国観光公社によると、今年の旧正月連休に当たる15~23日に訪韓する中国人客は19万人に達するとみている。混雑を避けるために2週間ほど前から滞在している観光客数を加えると最大で25万人と予想している。旧正月連休の訪韓中国人数としては過去最大規模で、昨年比で52%上回る。
旅行分析専門の市場調査会社チャイナトレーディングデスクによると、15日から9日間の中国の旧正月である春節連休期間中に23~25万人の中国人観光客が韓国を訪れ、最大で前年比52%増と見込んでいる。一方、円安を背景に人気の渡航先だった日本は、前年比60%以上減少すると予測している。
航空会社も便数を調整している。航空データ会社シリウムによると、連休期間中の中国からの韓国便は約1330便で前年比約25%増だったが、日本便はほぼ半減となる48%減で約800便となっている。
美容整形仲介コンサルティング会社のソウル・メディカル・ガイドには、連休中の治療を希望する中国人客から、連休直前の数週間で数百件の問い合わせが寄せられている。同社では「昨年の同時期の問い合わせは数件にとどまっていたが、これほどの急増は過去にない」としている。
百貨店各社は外国人売上を増加させている。新世界百貨店の25年の外国人売上高は前年比90%増の6000億ウォン(約643億円)超で過去最大となった。先月も外国人売上高が900億ウォン(約96億5000万円)超で、月ベースで過去最高を更新した。25年の主な百貨店売上高のうち、外国人売上高が占める割合は、ロッテ百貨店本店が25%、ザ・現代ソウルで20%となっている。
ホテルやカジノも恩恵を受けている。1600室規模の済州グランドハイアットは連休中、1日最大1590室が予約されており、事実上の満室となっている。昨年の旧正月期間は1日最大約1000室だった。仁川パラダイスカジノウォーカーヒルは旧正月に備えて、VIP営業スペースを拡大したほか、リニューアルを施した。
チャイナトレーディングデスクによると、中国人観光客の韓国での消費額は、連休中の1週間だけで3億3000万ドル(約511億円)を超える見通しで、同様に日本で見込まれる2億5000万~3億ドル(約387億~約465億円)を上回ると試算している。


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