地方活性化へ32兆円投資

10大企業など 若年層雇用の創出も
日付: 2026年02月10日 10時40分

 韓国の主要10大グループ企業は、若年層の雇用創出と地方経済活性化のため、今後5年間で約270兆ウォン(約29兆円)を投資する。10大グループ以外の投資も合わせると最大300兆ウォン(約32兆円)となる。半導体設備、電池生産、AI(人工知能)などのプロジェクトを推し進める。
大統領府で4日に開かれた「若者の雇用創出と地方投資拡大のための企業懇談会」で明らかにされた。
同懇談会には10大グループの各社トップらが出席。サムスン電子の李在鎔会長、SKの崔昌源副会長、現代自動車グループの鄭義宣会長、LGグループの具光謨会長、ロッテグループの辛東彬会長、ポスコの張仁和会長、ハンファグループの金東官副会長、HD現代の鄭基宣会長、GSの許兌秀会長、韓進の趙源泰会長らが顔をそろえた。

■先端・戦略分野へ集中

主要投資プロジェクトは、半導体設備増設、電池生産に関する研究開発(R&D)能力拡充、AI転換、カーボンニュートラルインフラ投資などの先端・戦略産業分野に集中投資される計画。
10大企業グループの今年の新規採用計画も前年より2500人増の5万1600人と集計された。そのうち66%にあたる3万4200人は新卒採用になる見込み。グループ別では、サムスンが1万2000人、SKが8500人、LGが3000人以上、ポスコが3300人、ハンファが5780人など。
韓国経済人協会は、地方投資計画がすべて予定通り実施されれば、5年間で韓国経済に最大525兆ウォン(約56兆円)の生産誘発効果が、221兆ウォン(約23兆6000億円)の付加価値誘発効果がそれぞれ得られる可能性を明らかにした。
同懇談会で同協会の柳津会長は「主要10大グループは今後5年間で約270兆ウォン規模の地方投資を計画している」とし「10大グループ以外も合わせれば300兆ウォン程度を投資できると考える」と述べた。

■地方で就職機会提供

また「若者が職を求めて首都圏へ移動し、地方では人口減少による『地域消滅』が危惧されている。この悪循環を断ち切ることが急務となっている。果敢な投資で地域に活力を吹き込み、地方に残った若者にも就職の機会を提供する」と強調した。
具体的な取り組みとして、新規採用の拡大、AI教育やインターンシップなどの教育・訓練プログラムを充実させて、現場に即した人材育成を推進する方針を明らかにした。
政府に対しては企業の採用・雇用計画が支障なく推進されるよう支援を要望したほか、AIやロボットの普及で雇用減少が懸念されることから、「雇用波及効果の大きいサービス産業を成長させることが、若者の雇用問題への有効な対策になる」と提言した。
大統領府の李圭淵・広報疎通首席秘書官は記者会見で「270兆ウォンのうち今年の投資額は66兆ウォン(約7兆円)になる見通しで、前年より16兆ウォン(約1兆7000億円)多い」と明らかにした。

■自治体が消滅危惧

韓国経済人協会は1月19日に非首都圏の地方自治体対象の調査結果を発表した。それによると、77%が人口減などによる「地域消滅のリスクが高い」と答えている。要因としては「産業と雇用の不足」が44・2%で最も多く、次いで住宅や住環境、医療・保健、教育・大学の不足が挙げられた。地方消滅への対応として最優先すべき課題を尋ねた質問では、37・5%の自治体が「企業誘致」を挙げている。


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