レアアース戦争、韓国備蓄量は「84日分」

中国が止めれば3カ月持たず
日付: 2026年02月10日 09時41分

 韓国の先端産業は、いま「時限状態」にある。仮に中国が即座にレアアース(希土類)の輸出を制限すれば、84日後には半導体や電気自動車の工場が停止する。政府は4日、「レアアース供給網総合対策」を発表し、「2029年までに備蓄量を100日分以上に拡大する」と表明した。しかし世界はすでに「銃声なき資源戦争」の戦場と化しており、韓国は後追いで参戦した印象が否めない。レアアースを武器とする中国と、供給網のブロック化を急ぐ米国の間で、韓国は生き残れるのか。

 韓国の主要鉱物に関する公的備蓄量は平均84・9日分。産業通商資源部は、これを拡充し危機対応能力を高める方針を示した。
上流(鉱山開発)から中流(精錬・精製)、下流(完成品生産ほか)、再資源化までを網羅する「全周期供給網」の構築を目指すという。産業部の予算5100億ウォンに、供給網安定化基金などの活用可能な財源を総動員し、1兆ウォン以上の投入効果を狙う青写真も示された。
だが、そのスローガンの裏には厳しい現実がある。レアアースの対中依存度90%という構造だ。鉱物を採掘しても加工技術や設備がなく、再び中国に送り返さなければならない歪な体制が続いてきた。その点で、今回の対策には「なぜ今まで手をこまねいていたのか」という自省が欠けているとの指摘もある。
レアアースは半導体研磨材から電気自動車モーター用永久磁石、ミサイル誘導装置まで幅広く使われ、「産業のビタミン」と呼ばれる。備蓄拡大の方向性自体は正しいが、世界的な「資源の武器化」が進む中で、あまりにも遅いのではないかとの懸念は拭えない。倉庫の鉱物が底を突いた瞬間、韓国経済の心臓も止まる。84・9日という数字を100日に延ばしただけで、状況が劇的に改善すると言えるのか、問いは残る。

 米国主導「フォージ」参加…資源外交のジレンマ

レアアースを巡る世界は、すでに戦場だ。中国は鉱山生産の60~70%、精錬・分離の90%を掌握し、磁石市場でも80%以上を占めている。韓国単独で自給率を急激に高めるのは、ほぼ不可能に近い。
結局、米国や日本などの同盟国と供給網協力体制を構築せざるを得ない。韓国は4日、米国主導の重要鉱物協力構想「フォージ(FORGE)イニシアチブ」に参加した。米国中心の供給網ブロックに加わり、安定した調達ルートを確保する狙いだ。
しかし「脱中国」は言葉ほど容易ではない。米国主導の供給網に参加すれば、中国を刺激し、経済報復を招く恐れがあるからだ。政府は「供給網安定化」という大義を掲げつつ、中国との不要な衝突を避けるという難しい外交判断を迫られている。
もう一つの課題は、資源外交に対するトラウマだ。李明博政権時代に推進された資源外交は、政権交代後に「積弊」とされ、多くの公務員や企業関係者が捜査対象となった。「資源開発に乗り出せば、政権が変われば刑務所行き」という言葉が、政官界で公然と語られてきた。政権が変わっても資源安全保障政策が揺るがない制度的な防護策が整わなければ、今回の対策も空虚な掛け声に終わりかねない。
時間は韓国の味方ではない。84が0に変わった瞬間、工場は止まる。今回の対策が「見せかけ」で終わってはならない理由である。

韓国は4日、米国主導のレアアース同盟「フォージ(FORGE・地戦略的資源協力フォーラム)イニシアチブ」に参加した。韓、日、豪など55カ国が参加

 


閉じる