生成AI(ChatGPT、Gemini、Claudeなど)の世界的な普及から約3年。韓国と日本は、似た技術基盤を持ちながら、定着度・使用度で明らかな差が生じている。韓国は政府主導と若年層の積極性が後押しし、世界トップクラスの採用率を記録。一方、日本は慎重な姿勢が続き、個人・企業ともに普及が遅れている。半面、潜在市場は大きいとの見方もある。2025年を中心とした最新データから生成AIの韓日利用状況を比較した。
韓国AI個人普及率爆増
日本は低迷続く
個人レベルの採用率・使用度25年下半期のAI全体採用率(就労年齢人口ベース)で、韓国は30・7%を記録し、前半期比4・8ポイント増と世界最高の成長を示した。グローバルランキングも25位から18位へ急上昇した。
生成AIに絞ると、韓国ではインターネットユーザーの33・3%が利用(25年初頭、前年からほぼ倍増)。月間利用時間は24年12月に9億分を超え、前年比8倍以上となった。ChatGPTの月間アクティブユーザー数は2031万人で、20~40歳が70%を占める。若年層の高い受容性と、韓国語対応モデルの進化(GPT4o/5が韓国SATで高スコア)が寄与。有料ChatGPT加入者数も米国に次ぐ世界2位で、週次アクティブユーザーは過去1年で4・5倍増した。
これに対し、日本は個人生成AI使用率が26・7%(25年、内閣府データ)と低調。ChatGPTの日常使用率は調査21カ国中最下位の6%にとどまり、週次32%、月次20%程度。20~29歳は44・7%で利用者は若年層に偏るが、全体普及は遅れている。プライバシー懸念、言語障壁、日本語特有のニュアンス対応の難しさが主因とされる。
韓国でのAIチャットボットアプリ使用時間(25年10月)は国内開発のZetaがChatGPTを上回り、73・62百万時間。対してChatGPTは48・28百万時間。ローカルモデルが定着している証左だ。企業・社会レベルの定着企業採用でも差が顕著。
変化への抵抗感強い日本
韓国は国家AI戦略委員会設置やAI基本法整備で後押しされ、生成AIが教育・職場・公共サービスに深く浸透。エンタメ、eコマース、製造業でコンテンツ生成や効率化が進む。
一方、日本は企業の24%が既に採用、35%が計画段階(24年調査)だが、SME(中小企業)採用率は27%と低く、慎重姿勢が続く。AIによる職失業懸念も日本は40%と最低水準で、変化への抵抗感が強い。
市場規模では両国とも急拡大。日本生成AI市場は25年約59億ドルから34年までに急成長見込み。韓国は24年2・78億ドルから33年13・48億ドル(CAGR17・12%)と堅調だが、韓国のほうが消費者向け普及が先行している。
韓国は「世界3大AI強国」目標で積極投資が目立つ。高速モバイル網(23年111・94Mbps)と相まってリアルタイム利用を促進。日本も25年度AI予算過去最高1969億円だが、DX推進は企業中心。若年層のトレンド志向が強く、Ghibli風画像生成などのviral現象で爆発的広がり。日本は保守的で「必要性を感じない」層が多い。現在、韓国は生成AIの「日常ツール」化で日本を大きくリード。採用率・使用頻度で約1・5~2倍の差がついている。しかし、日本は高齢化社会での生産性向上ニーズや、潜在的な高額課金意欲(アプリ内収益化成功例あり)が強み。両国ともAI特許登録世界トップクラスで、技術基盤は共通。韓日連携が進めば、互いの強みを補完できるだろう。韓国は「速さ」、日本は「深さ」で追いつく可能性が高い。
*統計・調査データは下記レポートから引用。
「Microsoft AI Economy Institute」「(Wiseapp Retail」「IMARC Group「South Korea Generative AI Market Size & Trends Report 2033」「Fortune Business Insights」。