技術流出摘発が4割増

海外へは中国が過半数
日付: 2026年01月27日 10時51分

 韓国警察庁は2025年の技術流出犯罪の取り締まり結果を発表した。それによると摘発件数は約180件で、前年比で40%以上増加している。海外に流出した国・地域は中国が過半数だった。韓国ではグローバルな産業競争力を強化し、経済の安全保障を守るために、技術流出対策に取り組んでいる。

 警察庁国家捜査本部は19日、25年に378人の技術流出犯を検挙し、うち6人を拘束したと発表した。摘発したのは179件で、前年比45・5%増加した。検挙人数も41・5%増となっている。
摘発されたうち、国内での流出は146件、海外への流出は33件だった。海外流出先の国・地域別では、中国が18件で全体の54・5%だった。次いでベトナムが4件で12・1%、インドネシアと米国が各3件で9・1%の順となった。
中国への技術流出の割合は、22年50・0%、23年68・1%、24年74・1%と増加傾向にあったが、25年は54・5%へと低下した。警察では「ベトナムなど他国への流出が相対的に増えた結果」と分析している。
海外流出技術の分野別では、半導体が5件で15・2%、ディスプレイが4件で12・1%、2次電池が3件で9・1%、造船が2件で6・0%の順となっている。いずれも韓国が世界市場をリードする産業に集中している。
技術流出の主体は企業の役職員など、内部者によるものが全体の82・7%に達した。
被害企業の規模では、大企業が24件で13・4%に留まった一方、中小企業は155件で86・8%と圧倒的多数となった。比較的手薄な処遇やセキュリティー環境を狙った犯罪が集中していると分析されている。
ソウル中央地検情報技術犯罪捜査部は昨年12月、サムスン電子が世界で初めて開発した半導体技術を中国半導体メーカーの長〓存儲技術(CXMT)に流出させた産業技術保護法違反で、サムスン電子の元役員を含む10人を起訴した。流出した情報には、サムスン電子が5年間で約1兆6000億ウォン(約1700億円)を投資し、世界で初めて開発した重要技術だった。
CXMTは流出した情報に基づき、23年に中国で初めて、世界でも4番目に10ナノメートルクラスの一時記憶用のDRAM量産に成功した。
検察はこの件の流出によるサムスン電子の昨年の推定売上被害額を5兆ウォン(約5400億円)、国家経済全体の被害を数十兆ウォン(数兆円)と推定している。
韓国政府は経済安全保障と産業競争力を強化するため、技術流出対策に取り組んでいる。07年に施行された「産業技術の流出防止および保護に関する法律」が、国家の安全保障に影響を与える国家核心技術の海外流出を規制している。さらに22年には「国家先端戦略産業の競争力強化および保護に関する特別措置法」(国家先端戦略産業法)が施行され、国家の安全保障と国民経済に重大な影響を及ぼす「国家先端戦略技術」の育成・保護と海外輸出統制を強化している。
韓国から海外へ不法に流出して摘発される産業技術はとくに半導体産業で多く、ほとんどが中国に関する事例となっている。海外へ流出してしまうため、現行法では犯罪成立の要件が困難であることが指摘されている。早急な法規制と対策が急務となっている。


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