米国株式市場へ流出したドル

「政府介入は安売りの合図だった」
日付: 2026年01月20日 10時31分

 政府は国民年金、国税庁、関税庁まで動員し、為替防衛に総力を挙げたが、ウォン・ドル相場は20日も経たないうちに再び1470ウォン台へと戻った。政府の強力な介入は為替の安定どころか、市場には「安くドルを買う好機」というシグナルとして作用した。政府介入が市場の学習効果を高めただけだとの批判が出ている。

 「ドル買いだめ」熱

金融業界によると、昨年12月24日から今月13日までの間に、新韓・KB・ハナ・ウリィ・NHの5大都市銀行で個人顧客が両替したドルは4億8081万ドルに達した。この期間における1日当たりの平均両替額は2290万ドルで、前年1月から11月の1日平均(1043万ドル)の2倍を大きく上回った。
個人による「ドル買いだめ」が本格化した時期は、奇しくも政府介入の開始と重なる。先月23日、ウォン・ドル相場が1480ウォン台まで急騰すると、外為当局は国民年金との為替スワップなどを動員して防衛に乗り出し、相場は短期間で1420ウォン台まで押し下げられた。
しかし個人投資家はこれを「割安な買い場」と受け止めた。政府が人為的に価格を抑えただけで、ドル高という構造的な流れは崩れていないと判断したためだ。
実際、ソウル市江南区のある銀行支店では、100ドル紙幣の在庫切れを知らせる案内文が掲示される事態も起きた。

 過剰なウォンの供給も為替の重荷

年初以降、為替は再び上昇基調を強め、1470ウォンを突破した。米国の高金利長期化観測によるドル高、ウォン安といった対外要因に加え、国内株式市場からの外国人資金流出、個人投資家による米国株投資の拡大が重なった結果だ。
問題は政府の対応姿勢にある。企画財政部と韓国銀行に続き、保健福祉部(国民年金)、国税庁、さらには関税庁まで加わった。関税庁は輸出企業の外貨代金管理強化に言及し、企業のドル保有状況を点検するとのシグナルを発した。
為替の急騰はウォンの価値の下落を意味する。韓国経済の構造的脆弱性が反映された結果だとの分析もある。成長鈍化、製造業競争力の低下、資本流出圧力が持続しているためだ。
これに加え、市中通貨量(M2)が過剰に供給されたことが、ウォンの価値の下落をあおったとの指摘も出ている。韓国銀行によると、M2は2024年末の3823兆ウォンから、昨年11月時点で4057兆ウォンへと、1年足らずの間に234兆ウォン(6・13%)増加した。
構造的要因が解消されない状況下で、政府が外貨準備を投じたり、行政力を総動員して為替を防衛する手法には、持続可能性に明確な限界があるとの見方が強まっている。
ソウル明洞の街中にある換金所のレートの電光板


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