政府が進める労働時間短縮政策である「週4・5日制」(4日半)を導入する企業に対し、財政支援を行う方針について、大企業など、いわゆる「大企業の正社員」に対する優遇策に変質する可能性を指摘する声が出ている。マンパワーや財政に余力のない中小企業の現場では制度の導入が容易ではなく、政策効果が一部に偏るおそれがあるとの懸念も強まっている。
雇用労働部は最近、「実労働時間短縮履行点検団」を発足させ、賃金を削減せずに週4・5日制を導入した企業に対し、労働者1人当たり年間最大720ウォンを支援する案を発表した。今年計上された関連予算だけでも276億円にのぼる。政府は、労働時間短縮を通じて仕事と生活の両立を改善し、労働市場の構造を高度化するとの立場を示している。
問題は、この恩恵が誰に帰するのかという点だ。大企業や金融業界では、政府の支援金を事実上、労働者の福利厚生資金のように活用できる一方、中小企業では人手不足やコストの負担から、制度を現実的に適用すること自体が困難な状況にある。
中小企業「人手・コスト負担が重い」
週4・5日制は、全雇用の80%以上を占める中小企業の現場では「別世界の話」と受け止められている。労働時間が短縮されれば生産量を維持するために追加の人員確保が必要となるが、多くの中小企業はすでに深刻な人手不足に直面している。
実際、中小企業中央会の調査によると、中小企業の42・1%が「週4・5日制を導入すると納期対応が困難になる」と回答した。さらに24・1%は人件費負担の増加を懸念している。
京畿道広州市のある金型メーカーの代表は「人材確保に苦労している中、労働時間まで減らせば、生産そのものが成り立たない。政府支援があっても代わりの人材を雇うには全く足りない」と語った。
結果として、大企業の労働組合員が金曜日午後の余暇を享受する一方、中小企業の労働者は過重労働に追い込まれるか、職を失う可能性すらあるという「労働の二極化」を深めるとの懸念が強い。
生産性の低さも課題
労働時間短縮政策が労働生産性の問題と十分に連動していない点も指摘されている。
韓国の時間当たりの労働生産性は、国際比較でOECD平均を下回る水準にとどまっている。韓国の時間当たり労働生産性は44・4ドルで、OECD平均(56・5ドル)を21・5%も下回る。生産性の改善を伴わずに労働時間だけを短縮すれば、企業競争力の低下は避けられない。
専門家は、労働時間短縮の議論に先立ち、生産性の向上や産業構造の改善など、経済の基礎体力を高める政策を並行して進める必要があると指摘する。
現実を顧みず「カネを出すから休め」というスタンスの政策は、ポピュリズムに陥りかねない。政府は試験事業の結果や現場の意見を踏まえ、制度を補完していくと説明しているが、今回の政策が大企業労働者をメインに設計されたとの批判については、真摯に受け止めるべきであり、抜本的な再検討が求められる。
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昨年7月、銀行員らによる金融労働組合の組合員らが、ソウル光化門で行った週4.5日勤務制を求めるデモのもよう