在日韓国青年商工人連合会(髙奈利会長)は6日、都内のホテルニューオータニで在日2世の張本勲さん(韓国名:張勲さん)を講師に招き、特別講演会を開いた。各地から参加した青商の会員約100人が聴講した。
プロ野球界で通算3085安打を記録し「安打製造機」と呼ばれた張本さんは、自身の経験を通して、在日同胞としての誇りと、戦争の悲惨さについて熱弁を奮った。
張本さんは自身のルーツについて、「(韓日は)大陸からモンゴルなどを経由し形成された、同一の民族」と強調。在日3世が中心の青商会員らに対し、「自分の祖国は韓国であり、朝鮮半島出身であるということに自信と誇りを持って、堂々と生きてもらいたい」とエールを送った。
4歳で右手に火傷を負いながらも、プロ野球選手として成功を収めた張本さんだが、その野球人生は「悲惨なものだった」と振り返る。生活のため必死だった現役時代、「1万2312打席、1回も楽しく立ったことはない」と告白。一方、近年の球界のスターである大谷翔平選手にも言及。タイトル獲得のため、全試合に出場すべきと持論を展開した。むすびに、「これからも日本の野球界を応援して欲しい」と述べ、講演を締めくくった。
髙会長は、「お話を伺うことで、私たちが今何のために青商の活動をしているのか、考えさせてもらった。活動の意味や意義について考えながら、後世に伝えていきたい」と張本さんに謝意を伝えた。
6日、張本勲さんは青商会員に向け、韓国のルーツに誇りを持つよう語った