60年の成果をスタートラインに 韓日新時代へ

東京で日韓親善協会がセミナー開催
日付: 2025年12月02日 11時09分

 韓日国交正常化60周年を記念し、東京で日韓親善協会主催のセミナーが開催された。政財界・学界から約100人が集まり、李赫駐日韓国大使館特命全権大使と小針進教授が講演。次世代交流の重要性を訴えた。両国関係の過去を振り返り、より良い未来への道筋を探る有意義な機会となった。

 11月28日、東京・平河町のKKRホテル東京で、日韓親善協会中央会(河村建夫会長)主催による「日韓国交正常化60周年記念セミナー」が開催された。
会場には在日同胞関連団体、政財界、学会、メディア関係者など約100名が集まり、1965年の日韓請求権協定締結から60年の節目を迎えた両国関係の過去・現在・未来を改めて考える機会となった。
河村建夫・日韓親善協会中央会会長の主催者あいさつ、金利中・民団中央本部団長の共催者あいさつ、李俊揆・韓日親善協会中央会副会長、大西健介・日韓議員連盟運営委員長、大塚建吾・外務省アジア大洋州局参事官、鹿取克章・日韓文化交流基金理事長の来賓祝辞が行われた。
その後、セミナーは二部構成で進められた。第一部では、駐日本国大韓民国大使館の李赫特命全権大使が「両手を携え、より良い未来への展望」と題して基調講演を行った。
李大使は、李在明大統領が最初の海外の訪問国に日本を選んだことに対し「周辺の進めとかではなく大統領本人が日本を選んだ」とし、「韓日両国が協力して発展していくことは、大統領の決断も含め時代の必然」とした。
「初めて自身が赴任した1986年といまを比較すると、日本人の韓国に対する認識は肯定的に大きく変わった。コスメや食品などがこれほど日本で受け入れられる時代が来るとは想像もしていなかった」と語った。さらに「政府間の関係が悪くなったとしても動じずにお互いが交流・勉強しあうことが両国関係を強化する土台となると草の根交流が重要だ」と述べた。
第二部では、静岡県立大学の小針進教授が「日韓地方交流の意義と次世代が考える両国関係~関係深化の『解』とは」をテーマに講演。
小針氏は、長年にわたり日韓の地方自治体間交流や大学生交流事業に携わってきた経験から「国と国の関係が悪くても、地方と地方、人と人のつながりは途切れなかった」と指摘。
「解1:交流~想像の『韓国』『日本』を超えて~」「解2:協力~『両国が共通する社会課題』をめぐる学びあい~」「解3:対外戦略の共有~必要な相手国への『敬意』協力」というテーマを統計資料や学生の声を交えて解説した。
「メディアの報道や教育の受け方によっていつの間にか想像の韓国、あるいは日本が作られてしまっている。直接交流を持つことで、それぞれの国に対する印象や人に対する印象は変わる」とし、次世代主導の新しい交流こそが関係深化に必要とした。さらに、両国が共通する社会課題に対して”学びあい”をする時代にきているとし、その結果を両国だけではなく、アジア・世界に向けて輸出していく重要性を語った。
日韓親善協会中央会の石井和美理事長は本紙の取材に対し「現在の日韓関係は60年間の結果。これをスタートととしてさらに両国関係が良くなるように活動を展開していきたい。そして、これからの若い世代にそれを渡していくことが我々の役割」と語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

李赫駐日大使(上)と小針進教授の講演のもよう


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