歴史は繰り返されるのか。数多くの戦争を起こしてきた西欧が、ウクライナ戦争で経済・軍事的に疲弊するや再び大戦争を目論んでいる。NATO首脳会議(今年の6月)は、2035年まで国防費をGDPの5%に引き上げると合意。この目標を達成するためには民生を犠牲にするしかない。
特に29年を目標に再武装を宣言したドイツは、ドイツ統一を承認した「2+4条約」(1990年9月12日、東西ドイツ+米・ソ・英・仏、モスクワで署名)によって許された最大37万兵力保有の約束を破って2029年まで46万兵力にすると宣言した。ドイツは民需経済が低迷した中、4大防衛産業企業が職員を1万6500人増やすなど急成長中だ。今は米国への依存を減らすのを目指すが、ドイツは英国と防衛・移民・武器開発協力を盛り込んだ「ケンジントン協定」締結(今年の7月)した。
英国とフランスもロシアとの大戦に向けて暴走している。特に、伝統的に代理軍の動員に集中してきた英国は、最悪の経済状態にもかかわらず、ひたすら戦争体制の整備に走っている。英国はNATOとは別にEUと安保防衛協定を締結(25年5月19日)した。英国はフランスとも史上初めて核戦力使用調整に合意(7月9日)した。
英国はアジアにも手を伸ばす。英国は安保協定を締結した日本と北海道で連合訓練をする。陸上自衛隊第1空挺旅団などと英陸軍第16空挺突撃旅団が離島奪還訓練をする。一方、米国は第二次大戦戦犯国に再武装を促す複雑な態度を見せている。