中国外交部は14日、孫衛東外交部次官が「奉示」、つまり上部の意志を受けて駐中国日本大使を招致、高市早苗総理の「存立危機事態」発言に対して厳重抗議したと発表した。
中国外交部が深夜の2時56分にホームページに「奉示」という用語を用いて警告したことは意味深長だ。奉示という単語は、外交修辞としてはほとんど使われない言葉で、外交部の判断ではなく最高指導部(習近平)の意中であることを物語る。
孫衛東外交次官は、高市首相の台湾海峡問題への軍事介入可能性の言及は、中国内政への深刻な干渉で、国際法と国際関係の基本規範に深刻に違反、極めて危険と糾弾、高市首相が、一つの中国原則と日中間の4つの政治文書の精神に深刻に違反、日中関係の基盤を深刻に毀損したと指摘した。
日本国内の一部では、日本が第2次世界大戦で敗れたのは米国に負けたもので、中国やソ連に負けたわけでないと主張するが、カイロ宣言とポツダム宣言は、台湾と澎湖諸島の中国返還を明示、日本は戦後の国際秩序を構成したポツダム宣言を忠実に履行すると約束した。
中国(中華人民共和国)は勝戦国としての「中華民国」の権利をすべて継承、国連総会の決議案2758号も中華人民共和国政府が中国全体を代表する唯一の合法政府であることを明示している。1972年の日中共同声明は、日本政府が中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府として認め、台湾は中華人民共和国領土の不可分の一部であるとの中国政府の立場を「完全に理解し尊重する」と明示、以後、両国が発表した重要文書はこれを再確認した。つまり、台湾と日本は国家関係でない。日本が軍事的に台湾に介入すれば侵略とみなされる。
「存立危機事態」という表現の法的根拠である日本の安保法は、法的に台湾に適用できない。国内法を恣意的に解釈した日本側の一方的な認識を根拠に、韓国が日本政府の判断と行動に同調するのは穏当な対応でない。