1950年代、貧しかった韓国に派遣された英国の記者曰く、「この国の経済成長を期待するのは、ゴミ箱からバラの花が咲くことを期待するのと同じだ」とした。しかし、今日の大韓民国は世界10位圏の経済成長を遂げた。「漢江の奇跡」と呼ばれる。
「漢江の奇跡」は、李承晩と朴正熙という優れた指導者がいたからこそ可能だった。その事実を誰も否定することはできない。李承晩は初代大統領として大韓民国を建国、韓米同盟に基づく強固な安保環境を作り経済成長の基盤を構築した。李承晩こそ国家の将来を見通す洞察力を持った外交の天才であり、指導者として高く評価されている。しかし残念ながら、3・15不正選挙により4・19学生革命が勃発。ハワイに亡命する悲運を迎えた。
後を継いだ朴正煕は5・16軍事革命を起こし、修羅場の混乱政局を整理した。国の経済を蝕んだ政治屋の不正腐敗を一掃、寄生虫のような暴力組織を除去した。
とくに朴正煕大統領は、空腹に凍えた最貧困国家・大韓民国を、世界有数の経済成長国家として再建、卓越した指導者の一人として国際社会から高く評価されている。二人の指導者は、米国と日本の優秀名門・高等教育機関で先進教育を受けた共通点がある。
李承晩は米国の名門、ジョージワシントン・ハーバード・プリンストン大学で政治学博士号を取得した英才で、朴正熙は名門大邱師範学校を卒業教鞭を取った後に当時は東京大学より優れたエリート教育機関だった日本陸士学校を優秀な成績で卒業した俊才だった。
朴正煕大統領は在任時、多くの博士号の授与をすべて断ったことでも知られる。書は人柄をよく表す。朴正煕大統領の揮毫は、その卓越した人柄を表す傑作の書道作品と評価されている。
左派は、この2人の指導者を独裁者に貶めようとするが、この2人がいなかったら今日の世界10位圏に成長した豊かな大韓民国の姿は考えられない。
とくに2人の特徴は質素倹約・清廉潔白だったという共通点がある。彼らより以降、執権した指導者たちは皆一様に不正腐敗の巨額を横取り、誤魔化した政権だった。しかし、朴槿惠元大統領と尹錫悦前大統領は子どもがいなかったため、不正腐敗を犯す余地は全くなかった。
前回の本欄で述べた通り、米国共和党のユ・ジンチョル予備候補は李在明の兆単位の秘密資金がシンガポールに隠されているという疑惑を暴露した。また、米国の情報機関・DNI・CIA・FBIなどが「貯水池口座」を開設した事実を把握、韓米による金融情報の共有体制が稼動していることが分かる。
李在明は民主党代表の時、自分の前科を捜査する名目で検察総長・監査院長など30人の閣僚を弾劾、国政まひを招いた。国政まひ状態で運営の限界に直面した尹前大統領が合憲的な戒厳を宣言すると、李在明は尹大統領を内乱罪にでっち上げて弾劾に追い込んだ。戒厳令が大統領に与えられた権限であるにもかかわらず、李在明はこれを政権奪取の機会と捉えた。むしろ、30人の閣僚を弾劾し国政マヒを招いた李在明がまさに内乱罪に該当する事が明白だ。結局のところ、不正選挙で国会を掌握した民主党が盗人猛々しい態度で尹前大統領を引きずり下ろしたのだ。
それで大統領選挙では、中国が裏で操作した不正選挙により政権を奪い取った。現在の李在明政権は、経済崩壊と社会システムまひ状態のベネズエラのマドゥロ政権と似ている。一方、米国のトランプ大統領はベネズエラのマドゥロ政権のレジームチェンジ軍事作戦を公式に承認した。
トランプ氏はすでにパナマを掌握しており、今やベネズエラを倒せば、中国の南米の影響力は完全に崩壊する。トランプ氏はマドゥロを排除するとともに、グローバルな不正選挙ネットワークを一網打盡にしようとしている。トランプ氏は、不正選挙で政権を握った政権は絶対許せないという決意から、最後まで剔抉しようとする意志が明らかだ。
李在明も不正選挙で政権を奪い取った。2020年総選挙・24年総選挙・25年大統領選挙の全てが不正選挙だ。
トランプ氏がベネズエラを倒し、中国包囲網を完成させると李在明政権も不正選挙の証拠が続々と明らかになり、米国の圧力が本格化すればマドゥロ政権のような運命を迎えざるを得ないとみられている。
高永喆(コ・ヨンチョル)
拓殖大学客員教授、韓国統一振興院専任教授、元国防省分析官。著書に『金正恩が脱北する日』(扶桑社)など。