日本の出入国在留管理庁は10日、2025年6月末時点の在留外国人数が395万6619人だったと発表した。24年末から18万7642人(5%)増加し、過去最多となった。一方で在日韓国人など特別永住者の減少に歯止めがかからない。かつて在留外国人の過半数を占めていた特別永住者数は22年末に1割を下回り、漸減傾向にある。特別永住者の高齢化による自然減と少子化、日本人や他国籍者との婚姻、帰化などが主な要因で、今後もこの傾向は続くと思われる。
出入国在留管理庁によると、6月末時点の在留外国人数は中長期滞在者数が368万6327人、特別永住者数が27万292人で、これらを合わせた在留外国人数は395万6619人となり、前年末(376万8977人)に比べ、18万7642人(5・0%)増加した。
性別では、男性が201万8228人(構成比51・0%)、女性が193万8334人(同49・0%)、その他(在留カードの性別表記が空欄となっている場合)が57人だった。
在留外国人は、永住者やなんらかの在留資格を得た中長期の滞在者を指す。
このうち韓国人は40万9584人で、中国の90万738人、ベトナムの66万483人に続き、国籍・地域別では3位となっている。前回調査時(24年12月)から中国は2万7452人、ベトナムは2万6122人増加したのに対し、韓国は346人(0・1%)増と微増にとどまった。
韓国の「中長期在留者」が16万4998人、「永住者」が7万6692人、「留学」が1万4705人、「特定技能」が441人、「日本人の配偶者」が1万1962人、「特別永住者」は24万4586人だった。
1940年~45年までの5年間、韓国からの渡日者は100万~150万人規模だった。解放後は帰国者増加の影響で、46年には在留者は50万~60万人に激減。その後、80年代中盤から増加し91年には69万3050人でピークとなった。当時は韓国以外の在留者は少数だった。2000年代に入ると、特別永住者の減少が顕著になり、20年間で4割減となった。それに伴い、在日同胞の総数も3割減った。新定住者(ニューカマー)も近年、増加傾向が縮小している。
現在、両国間のビザ免除措置が維持される中、韓日の人的交流は観光やビジネスで活発化しているが、定住層の縮小は文化の継承や地域社会へ影響を及ぼす。日本社会の多文化共生が進む中、在日コリアンの貢献は高く評価されている。こういったなかで特別永住者が減って、新定住者が増えていく流れは変えようがない。在日同胞社会および民団は今後の在日社会の在り方を考える時期にきているといえるだろう。