オーストリアのウィーン・マーガレテン通りの劇場「FILMCASINO」で2~8日、墺日協会主催による映画上映会「第9回JAPANNUAL」を開催、業界関係者や現地の観客ら5000人が参加した。
在日同胞社会の映画関係者が制作に深く携わった作品として、話題となっている『国宝』(2025年、李相日監督)のほか、『港に灯がともる』(25年、安達もじり監督、安成洋プロデューサー)、『雨花蓮歌 うくわれんが』(24年、朴正一監督)など。
6日(現地時間)、『雨花蓮歌』の上映に先立ちあいさつした朴監督は、作品に込めた思いを語ったほか、観客から寄せられた「今の日本は在日にとって住みやすいところか」との質問に対し、自身の見解を述べたという。
朴監督は本紙の取材に対し、「日本語を話せる現地の人たち、移民に当たると思われる方々から沢山の支援の言葉を頂いた。作品のテーマである多文化共生、若い在日同胞が自身のルーツやアイデンティティーに葛藤を抱えている描写などが、今日の国際情勢の中で共感を呼んだことに意義を感じた」としている。
JAPANNUAL主催者のGeorg・Schneiderさんは、「朴監督の『雨花蓮歌』は思慮深く心のこもった作品で、ウィーンの多くの観客に在日コリアンの現状を伝える役割を果たした。上映会後の質疑応答でも、朴監督は観客をひきつけ、温かな交流の場を提供してもらった」としている。
6日、ウィーンの劇場「FILMCASINO」で。『雨花蓮歌』の上映後、朴正一監督(写真中央)
を囲み記念撮影(墺日協会提供)