李在明、戦時作戦統制権回復を宣言

米・中が無視する慶州APEC首脳会議
日付: 2025年10月07日 09時35分

 李在明が国軍の日(1日)の記念辞を通じて、任期中の戦時作戦統制権の回復を宣言した。膠着状態の関税協商の上、韓国に巨額の在韓米軍維持費分担を要求し、国際社会が韓米の葛藤を注視している中、出た宣言だった。そもそも「戦作権」回復(還収)は李在明の公約だ。いや、韓国の「戦作権」問題は1988年以来、第6共和国38年間の主要な議題だった。国際秩序が多極化に進み、米国と葛藤するEUが世界大戦への大々的な軍備再建を宣言した状況で、太平洋地域での米国の核心同盟の一つである韓米統合作戦体制が決定的に動揺している。

 

 世界が長年、理想的な軍事同盟だと羨んだ韓米統合軍体制の解消を李在明が明言したのは今、展開されている、韓国の内戦とも関連している。親中・全体主義集団と自由民主体制と韓米同盟を維持しようとする右派国民間の熾烈な内戦で、李在明は米国の影響力の弱体化、排除を狙っている。
韓国軍の作戦統制権は1950年7月、国連軍司令官に移譲され、78年創設した韓米連合軍司令部が韓国軍の作戦統制権を行使することになった。戦時作戦統制権の転換協議(平時作戦統制権は94年12月、韓国が還収)はこれまでは韓国軍の独自の戦争遂行能力が不足するという判断から始まり、韓米が補完策を協議する形で検討されてきた。だが、ウクライナ戦争を契機に、韓国の防衛産業と韓国軍の武装が質的・量的に充実した点が国内外的に注目された。
李在明は韓国軍の戦時備蓄弾薬と装備がワシントンの従用によってウクライナに提供されることに問題を提起してきた。それで就任直後、合同参謀会議に戦時必要な弾薬確保などを点検するよう指示した。李在明は、初の国家安全保障会議(NSC)の全体会議(7月10日)で戦作権の転換問題を点検した。
「戦作権転換の3大条件」、つまり、①「連合防衛の主導のための軍事能力」で韓国軍はすでに世界的水準に到達➁「北の核とミサイル脅威対応能力」も偵察や打撃能力においてある程度確保➂「安保環境」と関連して韓米の情報共有体制が事実上充足されたと評価した。在韓米軍の役割が北韓抑制から中国牽制に変化した点も勘案した。戦作権の転換(回復)のため設定した約150の細部条件の中でも、大きな障害とされていた「戦時弾薬の確保」も、韓国軍が達成したと評価したという。
問題は、最先端の戦力獲得だけが戦作権の転換を円満に導く解決策として見ることを警戒せねばならない点だ。韓国軍首脳部の「状況判断」と「決心」能力を発展させなければ、戦作権転換後、独自の戦争企画・遂行能力発揮で困難に直面することになるだろう。
一方、李在明は韓米関係だけでなく、外交の全般で極めて不安だ。特に多極化に向かう国際秩序の中、APECの重要性が増している中、今回のAPEC首脳会議が米・中から軽視されている。李在明への嫌悪感を隠さないトランプ大統領は慶州のAPEC首脳会議(10月31日~11月1日)には参加せず(李在明に会わず)サミット開始前に帰国(10月29日)すると言われている。トランプは習近平に米国産大豆の購入を要請するという。
トランプ大統領が金正恩と条件なしで会うと公言するや、敵対する韓国との統一を否定する金正恩が、秋夕連休に開催された武装展示会で、極超音速ミサイルを公開、「韓国領土は安全だろうか」と脅した。

 

 


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